米朝首脳会談に向けて、着々と準備が進んでいるようだが、それに関連して首脳たちの移動に使われる航空機についての記事。
この記事に対する、マニアからのツッコミが鋭い(^_^)
エアフォース・ウンの実力は? 金正恩委員長の乗機に“つっかえ棒” – FNN.jpプライムオンライン
7日に金正恩委員長が、北朝鮮の要人輸送機である旧ソ連のイリューシン62M(IL-62M)型機で、中国・大連に乗り込み、中国の習近平主席との会談に臨んだ。北朝鮮のトップが搭乗していたということで、米大統領の搭乗機、エアフォースワンになぞらえ、同機を米ワシントンポストや英デイリーメールは「エアフォースウン」と呼んだ。イリューシン62Mは、1963年に初飛行を行った旧ソ連を代表する旅客機のひとつ。
T字尾翼、機体後部に4発のジェットエンジンという構成で、テイルヘビーなのか、機体が地上で停止している際には、車輪付の棒を“突っかえ棒”のように地面にまで伸ばして支えるというのが、特徴的な構造の航空機だ。
北朝鮮では、1979年から88年までに4機を受領。うち、2機が高麗航空。2機が政府の要人輸送機として運用されている。金委員長の妹、金与正女史が2月9日、平昌オリンピックに乗り込んだ際、使用したのはイリューシン62MのP-618(またはP-883)号機だったとみられているが、今回、金正恩委員長が大連への移動に使用したのが、この機体だったかどうかは不明だ。
(中略)
平壌からシンガポールまで4800㎞。要人輸送機イリューシン62Mの航続距離は5000㎞とされるので、シンガポールで給油をしないと、戻れないことになりかねない。
しかし、制裁で燃料の現地調達が出来ないなら、自前で持参する必要がある。仮に大型輸送機のIL-76MDを同行させるなら、帰りの燃料を貨物として積んでおくことは可能かもしれない。
という記事なのだが、Yahoo!ニュースでの航空機マニアからのツッコミが以下。
何がつっかえ棒だ、テイル スタンションって言うんだよ、せめて支柱とか言えよ。
これは普通だ、むしろテイルスタンションをしていない方が怖い。
一般的に燃料を積めば重心は前に移動するが、燃料消費に伴い重心が後方、つまりテール側に移動するので燃料を消費して来た状態で燃料補給せずに駐機し続ける場合、テイルスタンション使用は安全上、正しい処置だと思う。
又、下部後方貨物室やバルク貨物室に貨物やバゲージなどを搭載していれば後方重心が著しくなるのでテイルタッチ防止上、テイル スタンションを使用するのはあたりまえの話。
IL-62の航続距離が5,000kmだって? それは初期型の話で、高麗航空に納入されたIL-62Mは9,000km以上飛べるはず。そもそも国際会議に来た国家元首の特別機に制裁を加えて燃料を入れないなんてあり得ない。
あと、米国務長官の特別機はC-32(B757)じゃなくてC-40(B737)だったでしょ? それに首都ワシントンに帰るなら、ロスなんかで給油するより在日米軍基地のほうがはるかに便利。三沢でもよかったとは思うが、横田の方が設備も体制も整っている。
長官の搭乗機はC-32。
開放された3人は横田で待機していたC-40に乗り換えている。
“つっかえ棒“か...術語を使った方が「らしく」聞こえるが...
C32、C-37、C-40とか羅列してあるが、どれにだれが乗ったのか書かなければ何の意味も無し...
ロス経由とか書いてあるけど、この「解説委員」、「大圏コース」という言葉知らないのかな? 横田から(平壌でも同じ)から、例えロシア領空を避けるとしても、ワシントンDC郊外のアンドリュース空軍基地までの大圏コースはアラスカ上空、カナダ北方領土、カナダ・ウイニペッグ辺りを通って直行...ロスを通れば1500キロ位の遠回り...
C-40はB737をベースにした空軍バージョン、オプションの増槽を最高に付けたバージョンなら(飛行機下部の貨物スペースは無くなるが)、横田からニューヨーク近辺までノンストップ可(帰りは「風」のため途中で給油が必要になるが)、オプション次第なので737は一概に航続距離が無いとは言えないのだが...
……とまぁ、こんな感じで解説委員の間違いを指摘したり、説明されていないことを補足してくれている。
ちゃんと調べずに記事を書くから、間違いだらけの記事になるという典型。
解説委員という肩書きが恥ずかしくないのかな?
最近のマスメディアの記事は、こういうのが多いように感じる。
それぞれに専門分野、得意分野というのはあるだろうけど、専門外で知識に自信がないときには、専門家に確認するくらいの手間はかけるべきだろう。
正しい知識に基ずく正確な記事が基本なのだから、間違いや曖昧さは極力排除しなくてはいけない。
それがマスコミの責務ではないだろうか?
誤報や偏向の記事ばかり配信しているから、マスゴミと揶揄される。
そのへんの自覚が足りないのかもね。