草食? 肉食?…意味のない色分け

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草食? 肉食?…意味のない色分け

ウサギは繁殖力が旺盛な草食動物。

 言葉が一人歩きして、そのイメージに振り回されているような現象がよく起こる。
 よくよく考えると、あまり意味のないことであることも多い。
 「草食男子」「肉食女子」というのも、ただの流行りだろうね。
 それに関連した記事。

男性7割が「自分は草食」、肉食女子は「頼りになる・つきあいたい」、:MarkeZine(マーケジン)

 男性は、6割以上が「自分もどちらかといえば草食男子」と回答し、「自分は完全に草食男子」と回答した人を合わせると7割以上が「自分は草食」としているのに対して、女性は草食男子を「頼りない」を筆頭に否定的にとらえている人が多い。また、「肉食女子」に対する評価は、同性である女性が「うっとうしい」「下品だ」という否定的な意見が多いのに対し、異性である男性からは「頼りになる」「付き合いたい」といった肯定的な意見が半数を超えており、単純に草食・肉食という言葉ではくくれない志向が感じられる。

 自分が草食とか肉食とか、そんなカテゴリに当てはめたいという心理はなんなのだろうと思う。
 たぶん、そこには自分あるいは他人を、あるカテゴリの中に入れることで、納得したいからではないだろうか?
 それは血液型が、なにかと話題になるのと同じだ。
 飲み会になると、必ずといっていいほど、血液型が話題になる。相手の血液型を知ることで、俗説的な性格判断にカテゴリにしてしまう。血液型の性格判断なんて、科学的根拠がないことはたいていの人がわかっていることだが、あたかもそれが当たっているかのような風潮があるため、何型かで納得してしまう。話のネタとして、面白いという側面もあり、血液型の話で盛り上がってしまうことになる。
 草食系、肉食系というのも、そういう雰囲気に近い。
 ようするに、自分や他人を「カテゴリしたい」という欲求なのかもしれない。そうすることで、自分的に納得する、あるいはカテゴリされたグループにいることで安心する、ということなのだろう。つまり、どちらに分類されようが、共通の話題として仲間はずれではないという安心感だ。

 Wikipediaによれば「草食系男子」の定義は……

草食系男子の定義は、論者によって異なる。深澤は「草食男子」を、「恋愛やセックスに『縁がない』わけではないのに『積極的』ではない、『肉』欲に淡々とした『草食男子』」と定義した。

 とされている。
 言い方を変えれば、性欲があまりない、ということなのかもしれない。
 草食系というのは、草食動物、肉食動物からの連想だと思われるが、草食動物が性的に積極的ではないというのも、おかしな発想ではある。むしろ自然界の動物では、草食動物の方が性欲は旺盛ではないだろうか。
 食物連鎖の上から、草食動物は肉食動物に食べられる側である。数的に草食動物の方が優位ではあるが、それは繁殖力が旺盛だからだろう。肉食動物は力関係では優位だが、繁殖力的には劣勢で、絶滅危惧種になっている動物もある。
 食べているものから分類するなら、「雑食系」の方が、繁殖力はさらに旺盛だ。
 その典型が「人間」そのもの。
 植物でも肉でも食えるし、繁殖期という明確な区別がなく、年中交尾可能だ(^_^)
 人間が草食あるいは肉食のどちらかに偏ったら、たぶん滅びるぞ。
 まぁ、草食系、肉食系なんていうのは、世相をカテゴリしたい人たちの、言葉遊びだという気がするけどね。数年後には死語になっている気がする。

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