貧困層のドングリの背比べ

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 求職活動をしていたときの、経験談をひとつ。
 とある会社の説明会に行ったときに聞いた話。

 時給1250円で、働くシフトを自由に選べて、週2日勤務や週6日勤務、さらには時給が1550円になる夜勤の勤務を併用して選べるという条件だった。
 昼間の勤務から夜勤へと、続けて働くこともできるという。
 いやいや、それは働かせすぎだろう(^_^)b
 その説明をする講師は、自分はそんな働き方をしてきたそうだ。

 それで、講師は強調していった。
「働き方しだいで、稼げますよ」と。

 ちょっと待ってくれ。
 それって、稼いでいることになるのか?

 週5、日勤で働くと、月収は22万円。
 年収は、254万円だ。ここから税金等を引かれるので、手取り額は約204万円だ。
 これが稼いでいるといえるのか?

低所得者(貧困層)の年収の基準や定義、身なりなどの特徴や給付金を解説!

年収は300万円以下であれば低所得だと言われているようです。
手取りでいうと年収200万円~250万円の人が低所得者に該当します。
ちなみのこの300万円以下が低所得者とすると割合はかなり多く、労働人口の4割以上の人たちが該当します。

 つまり、手取り204万円は低所得者層であり、言い方を変えると貧困層なんだ。
 稼げるという講師の金銭感覚に、とても違和感を感じた。アルバイトや同業他社よりも、時給が高いというのを主張したかったのだろうが、それでは……

貧困層のドングリの背比べじゃないか。

 なんか、話を聞いていて悲しくなってしまった。
 貧しくなった日本を象徴するような話。
 公務員の平均年収は約670万円だそうなので、それと比べると3分の1にも満たない。

 「稼げる仕事」と聞いて、あなたは年収いくらを想定するだろうか?
 手取り204万円ではないのは確かだろう。
 200万円そこそこで「稼いでいるぞ」と思ってしまう感覚は、あまりにも貧しすぎる。
 しかし、それが4割の人々の現実でもある。
 日本は見た目ほど豊かではないんだというのを、突きつけられた気がした。

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