インフルエンザウイルスの逆襲か?

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インフルエンザウイルスの逆襲か?

新型コロナの流行の陰で、インフルエンザの流行は極端に抑えられている。
昨年秋頃には一部で、同時流行を懸念する声も出ていたが、それはないだろうと私は書いていた。

同時流行するのなら、昨年の1〜3月でも起こっていたはずだからだ。感染しやすい部位が共通していて、競合するウイルスなのでウイルス干渉が起こると、一部の専門家は指摘していた。
ある意味、インフルエンザウイルスは新型コロナウイルスにニッチを奪われてしまったわけだ。生物の生存競争では良くある話。

で、このままインフルエンザウイルスがおとなしく沈黙しているとも思えない。新型コロナウイルスが勢力を握っている状態は、インフルエンザウイルスには危機的状況だろう。生物である以上、彼らとて(というのも変だが)生き残る術を模索する。そこに意図や意識があるかどうかに関係なく、生物は自らが生き残るために存在している。

そのうち新型インフルエンザとして逆襲に転じるのではないか?……と思っていたら、その兆しとも取れる報告が出てきた。

ロシア、鳥インフルH5N8亜型のヒト感染を確認 世界初 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【2月21日 AFP】ロシア当局は20日、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)のヒトへの感染を初めて確認し、世界保健機関(WHO)に報告したと発表した。

ロシア消費者権利保護・福祉監督庁(Rospotrebnadzor)のアンナ・ポポワ(Anna Popova)長官はテレビ会見で、ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター(Vektor)の科学者らが、昨年12月に鳥インフルエンザの集団発生が報告されていたロシア南部の家禽(かきん)農場の作業員7人から鳥インフルエンザH5N8亜型ウイルスの遺伝物質を分離したことを明らかにした。

健康に深刻な影響を受けた作業者はいないという。

鳥インフルエンザウイルスには複数の亜型が存在している。H5N8亜型ウイルスは伝染性が非常に高く、鳥にとっては命取りだが、ヒトへの感染例はこれまで報告されていなかった。

新型インフルエンザが登場するとしたら、鳥インフルエンザ系だろうね。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のルーツは解明中だが、もともとはコウモリなどの宿主と共生していたウイルスであり、人間には感染しにくく、毒性も弱かったことは想像できる。それが中間宿主に感染して変異し、さらに人から人に感染してさらに変異して、感染力と毒性の強いウイルスになった……というシナリオだと思う。

鳥インフルエンザウイルスも、元々の宿主である渡り鳥とは共生関係にあり、それ以外の鳥や家畜の鶏にとっては強毒になる。これが変異を繰り返して、人に感染しやすくなる変異を獲得するのは時間の問題のように思う。

1〜2年後は、新型インフルエンザで大騒ぎになっているかもしれない。

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