変なメールが来た。
Mike,
Thanks again for lunch it was great!
(多謝、ランチは素晴らしかった!)
Best regards,
(敬具)
Steve
あて先は私のアドレスではないが、いくつか持っているアドレスのうちのひとつに酷似したアドレスだった。
スティーヴがマイクに宛てた、感謝メールらしい。たんなるいたずらかもしれないが、アドレスが違っているので、どういうわけかうちに届いたのだろう。新手のウイルスメールか?……とも思ったが、これといって添付ファイルがあるわけではない。もっとも、Macintoshを使っている私には、Windows主体のウイルスはほとんど縁がないのだが。
毎日、ジャンクメールが十数通届いている。たいていは、英文の広告メールであり、その大部分がアダルトサイトか金融関係だ。使っているドメインが「.COM」「.NET」「.INFO」なので、受取人が日本人だとはわからないのだ。
短いメールだが、英語が苦手な私でも意味はわかる(笑)。ふと、スティーヴとマイクはどんな人で、ふたりの間になにがあったのだろうと、想像力をかきたてられる。
……などと、想いをめぐらせていると、ふたりを登場人物とした物語ができそうだ(笑)。タイトルは「ランチ・メール」とか。う〜む、ちょっと頭の隅に置いておこう。
メールといえば、妻との日中の連絡はメールでやりとりしている。私はMacintosh相手の仕事だし、妻も会社でパソコンを使って事務をやっている。
そのやりとりは短いものだ。
妻「今日の試写会は行ける?」
私「たぶん、行ける。仕事が終わったら携帯に電話くれ」
といったようなことだ。
以前だったら、電話で相手を呼びだすのもためらわれるようなことでも、メールだとこっそりメッセージを伝えられる。仕事中であれば、なおさらだ。
携帯電話は持っているものの、携帯でのメールのやりとりはしない。理由は操作が面倒だからだ。私たちの世代はメールといえば、パソコンからである。これはインターネットが主流になる以前の、パソコン通信の時代を経ている世代だからだ。
最近の若者は携帯メールが主流みたいだけどね。あのキーの少ない携帯で、カチャカチャとメールを打ちこんでいる姿をよく見かけるが、器用なものだと思う。
だが、ある番組では親指ばかりを多用する携帯メールは、逆に不器用になるといっていた。親指は使うものの、他の指は使わないため、バランスが取れなくなるらしい。
友だち関係でもメールアドレスを持っている相手とは、わりと頻繁にメッセージ交換をするものの、そうでない相手とは疎遠になっている。紙に書く手紙は、ほとんど出さなくなっているからだ。
メールがコミュニケーションツールとして、なくてはならないアイテムとなっていることは確か。
キーボードから打ちこんで、送信。その手軽さもあるが、常時接続していれば、送られたメールを数分〜十分後には受け取れるというリアルタイムさも、メッセージに鮮度が感じられる。
逆に、返信が遅いと、失礼に感じたりするのだから難しいところだ。メールでは数日経ってしまうと、大昔のように思える。不思議な感覚である。
スティーヴは感謝メールを送ったつもりでも、マイクには届いていない。マイクはスティーヴを、愛想のない奴だと思っているのかもしれないね(笑)。