国際がん研究機関(IARC)が発表する、食品についての「がんリスク」は、なにかと物議を呼ぶが……
熱い飲み物にがんリスクの可能性、コーヒーにはなし 国連機関 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
コーヒーとマテ茶は、前回の評価が実施された1991年以降、「ヒトに対して恐らく発がん性がある」に分類されていた。だが、IARCによると、その後に集められた証拠では、コーヒーにもマテ茶にも、がんリスクを高めることとの関連性は見つからなかった。
その一方で、65度以上の温度で飲み物を摂取した場合に、食道がんの原因となる可能性があることを示す証拠が一部で見つかったという。「65度以上の非常に熱い飲み物を飲むことは、ヒトに対して『恐らく』発がん性があると分類された」とIARCは述べた。
今度は熱い飲みものかよ(^_^)b
コーヒーは長らく発がん性があるとして、ブラックリストに入れられていたが、近年になってがんを抑制するという方向に変わった。
なんか、無責任な気がする。
「65度以上の非常に熱い飲み物」は、がんリスク以前に火傷するよ。
ちなみに、原文の英文リリースでは、約70℃になっている。
原文から意訳すると……
伝統的に熱いお茶を飲む、中国、イラン・イスラム共和国、トルコ、南米のような場所では、食道がんのリスクが温度とともに増加することが見つかった。…..
…..定期的に熱い飲みものを飲むことは一般的だが、食道癌の発生率が高い理由はわかっていない。
…..冷たいマテ茶は、動物や疫学研究での実験で発がん性を認められなかった。
そんな熱いものをガブガブ飲める人は、あまりいないと思う。
それをいうのなら、「100度の沸騰した水を飲むと、おそらく死のリスクがある」というかね?
短い記事なので詳細はわからないが、65度以上で発がん性が見られる原因とメカニズムは解明できていないようだ。
温度を問題にするのであれば、低温はどうよ?
原文には「冷たいマテ茶」の記述はあるが、温度が何度かは書いていない。
氷点下に冷やしたビールやウイスキーがあるが、高温と同様に氷点下の温度は細胞にとっては強い刺激でストレスになるはず。
そのうち……
「海水を飲み続けると、おそらくがんのリスクがある」
「コンクリートを食べると、おそらくがんのリスクがある」
「酸素を吸うと、おそらくがんのリスクがある」
……とか言い出すんじゃないの?(^_^)
発がん性の可能性を研究することは必要だけど、なんでもかんでも容疑者にしていたらキリがない。おそらく、どんな食品でも、摂取過剰になればリスクをともなうはずで、完璧に安全な食べものはないと思う。
「ガンになりたくなかったら肉を食うなと?」でも書いたことだが、リスク評価の分類がおおざっぱすぎる。意図的に放射性物質を食べる人はいないが、それと同レベルに普段食べているものが並べられるのは大きな違和感がある。
警告を発するのはいいのだが、なんでも発がん性があるということにしておいて、「ほら、私たちが指摘していたじゃないか」とアリバイ作りをしているようにも思える。
発がん性が大きな問題になり始めたのは、公害が社会問題になった20世紀中頃からだ。その頃は健康被害をもたらす原因が特定できず、発がん性がどうとかは知見がなかった。害があるのかどうかもわからず、安価で使いやすい化学物質が日用品や食品添加物として大量に使われていた。
発がん性という概念そのものがなかった時代だ。
その頃の教訓として、とりあえず発がん性の可能性があるものはブラックリストに入れているだろう。
しかし、あまりにブラックリストが多すぎて、危機意識が薄れている逆効果も出ているように思う。
まぁ、気になる人は熱い飲みものは控えることだね(^_^)