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NHK大河ドラマ「花燃ゆ」が、視聴率で苦戦しているようだ。
もっとも、昨今の視聴率は、あまり参考にはならないと思うのだが……

大河「花燃ゆ」第7話は11・6%…再び自己ワーストを更新 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(日曜後8・00)の第7話が15日に放送され、平均視聴率は11・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが16日、分かった。第5話の12・8%を下回り、自己ワーストを更新した。

ナレーターが“シャア”池田氏で、音楽が「機動戦士ガンダム00」を担当した川井憲次氏ということで、本編以外のところで話題になったりした。オープニングの鳥が飛び交うシーンは、モビルスーツの空中戦のようにも見える(^_^)。

ここまで見た印象として、低視聴率なのは無理もないかな?……と思える展開だ。
いくつかポイントを挙げていくと……

(1)ストーリーとしては、登場人物の成長物語になっているため、やや展開がぬるい。
第1話で、主人公の文の幼少期から始まっていたが、物語の組み立て方として、この回は必要がなかったように思う。回想シーンで小出しにすればいい程度のエピソードで、まるまる1話使うことはなかった。井上真央が出てくるのを期待していたのに、肩すかしをくらった感じ。

他の登場人物にしても、時系列を追って生い立ちやら出会いやらを、やや説明的に描いているので、展開がぬるくなっている。そこは端折ってもいい部分。

(2)井上真央が演じる文の、性格設定が暗い。
文を主人公にしたのは、記録として詳しいことが不明であるため、キャラクターとして自由に作れる余地があった……とかなんとかいっていたと思うのだが、なんだか性格が暗い(^^;)

井上真央の可愛さが生かされていない気がする。演技が下手だというのもあるが、生き生きした表情や、引き込まれる見せ場が乏しい。幼少時代を演じた山田萌々香の方が、引きつけるものがあったのは皮肉。

また、主人公であるはずの文が、物語を引っ張っているのではなく、寅次郎に振り回される方に回っているため、結局、寅次郎が主役になってしまっている。もっと文の視点からの物語があればいいのだが、文の立ち位置は杉家の外には出ないから、寅次郎や伊之助の視点が中心になってしまう。
こういう展開にするのなら、文を主人公にした意味がない。
結果的に、中心がどこにあるのか、定まらなくなっている。

(3)対立軸が見えない。
ここまでの展開では、寅次郎が立ち向かう相手としての対立軸がはっきりしていない。それが緊張感の乏しさにもなっている。今後、倒幕に向かうことで「敵」としての幕府が対立軸になっていくのだろうが、それが「山」になるかどうか。

吉田松陰は1859年、弱冠30歳にして亡くなるが、7話までで1855年までを費やしている。残り4年の生涯をこれから描くことになる。
史実を追うとすれば、寅次郎(吉田松陰)の行動が主軸になっていくと思われるが、そうなると文がそこにどれだけ関わっていけるのかが問題。

吉田松陰は早々に死して主軸から外れ、文の夫となる久坂玄瑞が主軸の交代となり、さらには久坂の死後は楫取素彦(小田村伊之助)との関わりが主軸になるのだろう。

物語のセオリーとして、対立軸は必要だ。現段階は、その伏線を張っている状態なので、我慢の展開だともいえる。
最初の山は、松陰の死。次の山は、久坂の死というところかな。

(4)文が主役になるかどうか。
吉田松陰とその仲間達の行動が物語の骨格であるため、文はいつもその中心にはいない。文は傍観者であり、脇役的な存在だ。
その文を、主役として存在感を示せる物語にしていけるかどうか。
今後、どういうシナリオを用意しているのか。

7話までは男達の物語だったが、文を中心とした女の物語にできるかどうか。
なかなか難しいように思うが、ちょっとだけ期待している(^_^)。

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