認識が甘い「なでしこジャパン」

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ベスト8で敗退した「なでしこジャパン」
その問題点は、グループリーグのチリ戦の前に書いた記事、「花が咲かなくなった“なでしこ”」で触れた。
予想通りチリ戦は勝てたが、続くトーナメントのスウェーデン戦では惨敗。これも予想通りだった。

体格的にもフィジカル的にも、スウェーデンよりも劣っていたのは明白で、技術やスピードでも見劣りした。
日本には優位なポイントがない。
これで勝てるわけがない。
ベースの部分が違いすぎて、戦い方以前の問題でハンデを付けられていた。

「あっという間に終わってしまった」なでしこ田中美南、悔しさと危機感と2ゴール…みんなで確かめた“課題”とは? – なでしこジャパン – Number Web – ナンバー

「ボールを動かし、パスを繋ぐサッカーは展開できました。個々のポジショニングも良かった。相手やゲームの状況を見極めながらボールを動かすという、なでしこの強みを改めて感じることも出来ました。けれど、相手の勢いに負けない守備力とそれに勝る攻撃力が足りませんでした」

(中略)

そして、今回もパスサッカーを展開した。日本が敗れた準々決勝のスウェーデン戦。パス本数は600本を超え、スウェーデンの倍ほどのパスを繋いだ。パス成功率も85%の数字を残した。しかし、最後のシュートまで持っていく形を作れなかったと田中は悔やむ。

田中さん、その認識では甘いよ。
パスを何本つないでも、パス本数で勝てるわけじゃない。採点競技じゃないんだから、ゴールを決めなければ勝敗は決しない。
また、野球のように満塁ホームランで大逆転という展開もない。
1点ずつゴールを決めるしかない。

「パス成功率も85%」といっても、その多くが横パスやバックパスなので、得点にはあまり寄与していない。
得点に結びつくパスがどれだけあったか?
そこが重要なんだ。

何度も書いているが、とにかくフィジカルが弱い。
体の大きな相手選手に当たり負けてしてしまうのは、体幹が弱いからだ。
ボール奪取で詰めるときに、相手選手にぶつかりそうになると直前で止まってしまうのも散見された。ファウルをしないため、あるいは相手と自分がケガをしないようにという配慮かもしれないが、当たりを恐れていては負けてしまう。

加えて、走力も足りない。
足の長い選手は、同じ距離を走るにしても歩数は少なくなる。背の低い日本人選手は、より速く足を回して走らなければならない。そのために必要なのが筋力だ。

男子チームには、走るのが速いのを特徴とした選手がいるが、女子にはいない。相手をぶっちぎって攻め込む選手がいないから遅効になってしまう。
体格的に劣る女子の活路は、高速カウンターだろうと思う。
相手の攻撃ターンでボールを奪ったら、素早く前線にボールを運び、相手の守備陣形が整う前にゴールを決める。

そのためには前線への長く正確なパスを出せるキック力が必要だし、ドリブルで一気に駆け上がる走力も必要だ。
各駅停車でのんびりとパスを回していては、速攻にならない。

とにかく、現状では攻撃のスピードが遅すぎる。
もっと速く!
それに尽きると思う。

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