電子ブックのKoboとSonyの行く末について、なにが足りないか、なにが必要なのかを指摘した記事。ただし、これは海外記事の翻訳なので、おもにアメリカから見た事情だ。

KoboとSonyは電子書籍の競争でなぜ形勢不利なのか – ITmedia eBook USER

 ソニーとKoboは現在のハードウェアおよび電子書籍販売のビジネスモデルに大きな問題を抱えている。意味のあるコンテンツと買収を欠いており、両社は競合に大きく遅れを取っている。昨今、顧客ロイヤルティーと信頼を獲得する手段として電子書籍を提供するだけではもはや不十分だが、ソニーとKoboは実質的にコミュニティーを持たず、コンテンツサーチ機能でも遅れを取っている。今後数年でソニー、Kobo、Barnes & Nobleが存在感を失っていく可能性があるが、今日はその理由を探っていこう。

 前々から書いていることだが、数年後に淘汰が進み、生き残るのは2強ないし3強だろう。
 1強はAmazonであることは、現時点でもほぼ確定している状況。
 2番手はどこか?……ということになる。

 前述の記事で面白いのは、「」のことにまったく触れられていない点だ(笑)。
 koboはもともとカナダの会社だが、楽天が買収したのは周知のこと。にもかかわらず、一言も触れられていない。それは裏を返すと、海外では楽天の影響力や関与は低いとみなされているのではないか?
 日本国内では、楽天のスタッフが日本向けのkoboを運営しているのだろうが、海外では事情が違うのかもしれない。国内向けの顔と海外向けの顔と、使い分けているようにも思える。
 世界に向けて「RAKUTEN-kobo」と呼ばれない、認識されていないというところに、齟齬があるのではないか?
 これは将来的に問題になるような気がする。

 「Amazonに対抗できるのは楽天だけ」と気勢を上げているのだが……

ASCII.jp:楽天、出版関係者に戦略語る「Amazonに対抗可は楽天だけ」

 講演の最後には、電子書籍でグローバルに競争できるプラットフォームは、世界シェア55%のAmazonと、同じく20%の楽天(kobo)しかないと強調(アメリカを除けば、互角のシェアとも)。そのうえで、あらためて業界関係者に協力を要請した。続いて、出版社代表として登壇した講談社代表取締役社長の野間省伸氏も「正直Amazonの力が強いが、楽天に頑張っていただきたい」と期待を寄せた。

 下線を引いた部分は、出版社にしてみれば売れてくれればどこのストアでもいいわけで、まだ価格競争には突入していない段階で、どのストアでもほぼ同じ価格なのだから、販売チャンネルは多い方がいいに決まっている。
 だから、楽天を援護しているというよりは、売ってくれるのならコンテンツを提供するよ……という程度のことだろう。

 しかし、世界シェア20%というのは、日本語以外のコンテンツについての数字であり、楽天が買収する以前からの過去の遺産でしかない。
 世界に向けて日本語のコンテンツを売るには、英語を始めとして各国語に翻訳しなければならず、容易ではない。少なくとも英訳すれば英語圏に売ることは可能になるが、そこまで手間暇をかけられる本というのは限られる。
 結局、国内でどれだけ売れるか?……になる。
 だから、世界シェアが問題なのではなく、国内でのシェアがどうなるかだ。

 世界シェア20%があっても、海外での評価が形勢不利といわれるのだがら、前途多難だ。
 「楽天ブックスとkoboの連携」が大きな課題だと楽天も認識しているようだが、異なるシステムを統合するのはなかなか難しい。楽天ブックス=koboになって初めて、Amazonと対等に勝負できる下地ができる。
 それがいつになるのか?
 2020年に電子ブックシェアの50%超を目指す……という意気込みはすごいが、それはAmazonを超えることを意味する。つまり、1強になる目標だ。
 しかしまぁ、これまでの経緯から、掲げた目標をことごとく達成できていないのだから、狼少年のように見えてしまう。
 7年後……。
 果たしてどうなっているのやら。
 7年といわず、2~3年で淘汰レースの結果は出ているだろうけどね。

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