わが家に残っていた、最後の猫。
黒猫のテンテンが天寿をまっとうした。
2025年5月3日、午前2時20分。
22歳だった。
人間換算で、約96歳。
うちの猫たち(15頭)の中で、最長寿だ。
ほんの2週間前までは元気だったが、猫の時間の進行は早いから、一気に衰弱していった。
うちの妻と同居するようになって38年(同棲時代も含む)、ずっと猫も同居していた。
黒猫のBチャンに始まり、黒猫のテンテンで終わった。
だから、猫のいない生活というのは、考えられなかった。
しかし、今日からは猫はいない。
まだ実感はないので、なんともいえないが、寂しくなると思う。
最後の数分間は、テンテンの手(前足の右手)を握っていた。
呼吸間隔が長くなり、やがてそれも途絶えた。
あまり苦しむことなく、静かに息を引き取った。
最後に言葉をかけた。
「バイバイ、テンテン。あの世で会おう」
猫が亡くなるたびに、毎度同じことを書いているが……
私が死んで、あの世でうちの猫たちと再会できるのなら、死ぬのも悪くない。
だが、それは幻想であり願望でしかない。
もう、会えないんだ。
毎日、一緒に布団で寝ていたテンテン。
私の腕を枕にして寝るのが、ルーティーンだった。
それも、もうなくなる。
テンテンと生きた22年間。
長いようで短い。
楽しい思い出しかない。
いつかこの日が来ることは覚悟していたし、14頭の猫たちを見送ってきた。
これが最後の見送りだ。
これを書いていて、ジワジワと悲しみが浮かんでくる。
テンテン、よく長生きしたね。
ありがとう。
いなくなるは……寂しいよ。
おやすみ。
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