仲のいい恋人を「似たもの同士」といったり、円満な夫婦関係になっていると顔まで似てくる……というのは、よくいわれる。
自分と考え方や価値観、感性が近いというのは、男女関係では重要だろう。
違いすぎると、接点が持てないからだ。
経験的にはわかっていることだが、それを科学的に分析した……というのが以下の記事。
デート成功の秘けつは「相手と同じ話し方」=米研究 | 世界のこぼれ話 | Reuters
同チームはまた、既に付き合っているカップルによるインスタント・メッセージを10日間にわたり記録し、コンピューターを使って単語や会話パターンなどを分析。その結果、言葉の使い方が似ているカップルのうち、3カ月後も関係を続けていたのは約80%に上った。似ていないカップルの場合はその確率が54%だったという。
言葉の使い方、というのは考え方や価値観、感性に結びついている。
必然といえば、必然。
男女関係に限らずだが、会話をしていても、会話が噛み合わない……ということは、よくあるね。
会話は成立しているのに、どこかしっくりこなくて、投げかける言葉に対するリアクションが、予想や期待したものとして返ってこない。
わざとらしい会話だ。
いちおう、意思の疎通にはなっているものの、気持ちが通わない。
それは使っている「言葉」に、響くものがないからだろう。
方言は地域性を特徴付けるものだが、同時に言葉の感覚の共通基盤でもある。出身が異なる二人の場合、言葉のニュアンスがすれ違ってしまうことも多い。
私は九州出身だが、妻は東京出身だ。
育った環境や言葉の環境も違う。
当初は、意味が通じない場合があった。
私は方言はそれほど強く出なかったものの、感覚的な部分で方言的な使い方が無意識に出てしまう。
一方、妻は東京的な発音や語尾だったので、それに「ん?」と感じることは多かった。
言葉の微妙なニュアンスとは、相手の気持ちを推し量るときの手がかりになる。
しかし、それは共通した言葉環境の基盤があってこそだ。
同じ言葉でも、イントネーションの違いで、意味が変わる場合もある。それは「同じ話し言葉を使う」という前提がないと、噛み合わないことになってしまう。
男女関係に限っていえば、過去、失恋したときの相手とは、たしかに「会話が微妙にずれていた」気がする。
言葉の受け止め方が違うというか、意図したこととは違うように解釈されて、相手を怒らせてしまったり……。
逆に、相手のなにげない言葉で傷ついたり……。
言葉は意思を伝える手段ではあるのだが、正しく伝わらないこともある。
ことに、昨今はメールでのやりとりが多くなり、口頭による会話よりも誤解やすれ違いが多くなっているように思う。