原子力規制委がすごい提言をした。
なんと、10万年後まで責任を求めるという。
原子力規制委:低レベル放射性廃棄物、10万年後まで埋設 – 毎日新聞
対象は低レベル廃棄物のうち、原子炉内の核燃料近くの部品など汚染度が高い廃棄物。方針では事業者が廃棄物を管理する期間は、埋設から300~400年程度と想定。その間は、放射性物質が地下水に漏れ出ていないかを定期的に監視することを求める。
その後も人間が近付かないよう、国は周辺の掘削を制限する制度を設け、少なくとも10万年間は火山や活断層などで大きな影響が及ぶ恐れがない場所に埋設することも求める。
現実離れした提言だね。
300~400年先まで定期的に監視するのも難しいが、10万年先まで考慮に入れろという。
もう、笑うしかない。
現在から300~400年前は、江戸時代初期。
工学技術が現在よりは劣っていたとはいえ、当時の人工物が使用可能な状態で残っているものは少ない。放射性廃棄物を入れる容器や施設の耐用年数が、300~400年などという時間スケールを保証するものは、現在でもないだろう。いったい、どういう技術で300~400年も保つ保管所を造るのだろうか?
まして、10万年だ!
おいおい、10万年後まで人類が存在しているかどうかも怪しい(^_^)b
10万年前というと……
約10万年前 – 現代人(ホモ・サピエンス)がアフリカを出て世界各地に拡がった(アフリカ単一起源説を裏付けるもの。7万年前との説(後述)もある。ミトコンドリアDNAの分析では、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年である。
まだ、ヨーロッパ人もアジア人も、日本人も存在してなかった時代だぞ。
10万年後は、日本人が存在していないかもしれないし、日本列島そのものも地殻変動で大きく変わっているだろう。日本人が滅びるということではなく、混血が進んで現在の日本人とは変わっているかもしれないという意味。人類文明が存続しているとしても、国家としての線引きも変わっているだろう。
10万年の時間があれば、M9クラスの大地震が、日本各地で数十回は起きるよ。1000年周期としても100回、1万年周期でも10回だから、日本のどこに埋めようが、放射性廃棄物保管場所が壊滅的な打撃を受けることは必至。
そんな先のことまで考えて、放射性廃棄物の埋設場所を選定するなど、不可能だね。
早い話、「原子力規制委は放射性廃棄物の処理についてサジを投げた」ということか?
超楽観的な想像をするのなら、10万年前に原初のホモサピエンスがアフリカを出たように、10万年後は地球人が太陽系を出て行く時代かもしれない。
それなら、地球を捨てていってもいいけどね。