3Dプリンタが注目されているが、一般ユーザーレベルではまだまだ3Dプリンタは高価だ。
出るべくして出てきたのが、「3Dプリンタ出力サービス」
印刷業界では馴染みのある東京リスマチックが、そのサービスを始めたようだ。
CADやCGなどで作成した3Dデータを、最新の3Dプリンタで出力してみませんか?
従来は粘土やパテ、または切削加工や金型を必要とした小ロット案件のモデル作成(自分専用のオリジナルモデルや、ものづくりの現場で使用される試作品・原型など)が、3Dプリンタの登場により、お手軽かつ安価で、そしてスピーディに製造できるようになりました。
東京リスマチックでは、3D Systems社製の最新型3DプリンタProJetシリーズ×4台とフルカラープリンタのZprinter650×1台により、微細な造形やカラーの立体物を手軽に表現できるようになり、さらに常識を覆す圧倒的なハイスピード納品を実現いたしました。
高精度の立体造形出力、そして新しく加わったフルカラーの立体造形出力を、短納期かつお求めやすい金額で。リスマチックの立体造形出力サービスで、手軽にできる3D立体プリントをお試しください。
対応しているファイル形式が限られているが、ユーザー数が多い3DCGアプリケーション各種への対応が、3Dプリンタ普及のカギのような気がする。
.stlや.objに変換することは可能なのだが、アプリケーション独自の機能は削られてしまったりするので、ネイティブのまま出力できるのが理想だ。
出力センターでデジタル出力する……という流れは、印刷業界のDTP化の黎明期と同じだ。
DTP化が始まったのは、1995年以降、本格的になったのは2005年以降だが、当初は印刷所がデジタル出力に対応していなかったために、出力センターで印刷用にフイルム出力してから印刷所に持ち込んでいた。
現在では、データそのものを印刷所に渡せば、印刷所でデジタル出力できるようになった。当初は、出力用の機器やフォント、アプリケーションが高価で、設備投資が追いつかなかったのだ。ほぼデジタル化されている現在では、デジタル出力できないと印刷所としてやっていけなくなっている。
3Dプリンタ出力サービスとしては、黎明期の今が稼ぎどきであり、存在感を示す時期だろう。ここで地歩を固めておけば、3Dユーザーを引きつけられる。
いずれ家庭用の3Dプリンタも普及するだろうが、大きなサイズ、精度の高い3Dプリンタはそれほど安価にはならないはずだ。普通のプリンタでの紙とインクの消耗品と違って、出力素材の問題もあり、ランニングコストはかなりかかると思われる。
そういう意味でも、3Dプリンタ出力サービスの存在意義は大きい。
3Dプリンタ事情は面白くなりそうだ。