業績不振に陥っているカメラメーカーのNIKONを、富士フイルムが救済するというニュースが流れている。
「#ニコン 救済」#富士フイルム が浮上
「仕掛け人」は #三菱UFJ と #経産省https://t.co/gmpMoJ8xfb
中韓台企業への身売りが囁かれていたニコン。銀行と役人がみかねて、「打倒キヤノン」に燃える富士フイルムに再編を打診中です。#選択出版 #選択6月号 pic.twitter.com/yMclkBVaAW— 選択出版 (@SENTAKUmagazine) 2017年6月2日
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その購読料が、年額12,000円……て、ちょっと高くて手が出せないよ(^_^)b
記事単品の小売りもしてくれればいいのに。
このツイート記事が発端となって、世界中のカメラ関係のサイトに引用されている。それだけ衝撃的なことだからだろう。
関連して、「選択」の過去記事で、公開されているNIKON関連に以下のような記事もある。
名門ニコンのはかなき「余命」 | 【公式】三万人のための総合情報誌『選択』- 選択出版
億の下一桁が違うのみで、十年の間にまったく成長がなかったことを示している。売り上げはなんとか維持できても営業利益は十年間に三分の一の三百六十七億円に目減り、儲からない会社への道を着実に歩んだ。同じ製品を改良するばかりで、新しい技術や商品への挑戦を怠ってきたことは歴然としている。世界市場でのマーケティングでも新機軸を打ち出せなかったことは数字が正直に示している。
こんな状況をなぜ経営陣は看過してきたのか。非常にシンプルではっきりした理由がある。ライバルの衰退だ。ビジネスマン百人にニコンのライバルを尋ねれば 九十九人はキヤノンと答えるだろう。デジカメ、一眼レフから半導体露光装置まで主力事業はピタリと重なり、カメラでは世界市場で両社が競い合って技術水 準、ブランド力を高めてきたからだ。ニコンにとってキヤノンは常に自社を上回る大きなライバルで、キヤノンをベンチマークとして走って来た。
だが、そのキヤノンは〇七年以降、業績はニコンどころではない右肩下がり。過去十年間で売上高は四分の三に減り、営業利益、当期純利益に至っては三割の水 準にまで沈んだ。キヤノンを見ていれば、ニコンの経営陣、社員は自らの停滞、衰退を深刻に受け止められなかったのだろう。本来なら切磋琢磨すべきライバル 同士がお互いの衰退ぶりに安心してしまったというのがニコン、キヤノンの関係だ。
依然として、カメラはCANONとNIKONが2強ではあるものの、SONYや富士フイルムが追い上げてきている。この調子で行くと、近い将来、2トップが入れ替わるかもしれない。
最近の新製品を比べてみると、CANONやNIKONは売れ筋機種のマイナーチェンジが多く、アッと驚く斬新なものは少なくなった。
対して、SONYと富士フイルムは、なかなか野心的な機種を投入している。
そこには、勢いの差がある。
前にも書いたが、無駄に機種が多すぎなんだよね。
八方美人的に、少しずつスペックの違う機種をたくさん出しても、選択肢が多いようで、じつのところ予算に合った機種を選ぶのがせいぜい。型番を見ないと区別できないようなカメラでは、所有することの喜びは薄れる。多機種にすることは、自らのブランド価値を下げることにもなっていると思う。
富士フイルムがNIKONを傘下に置くとなると、どうなるか?
カメラ関係サイトの論戦では、「富士フイルムにはメリットがない」という意見が多かったが、そうでもないだろう。
落ちぶれてきているといっても、NIKONのブランド力は、まだまだ強い。
NIKONのブランドを引き継ぎつつ、富士フイルムのカメラとの融合を図っていくのは面白いと思う。
自助努力でNIKONを革新できればいいのだが、それができにくいのが老舗ゆえの束縛だったりもする。たとえば、なにかと制約の多いFマウントを捨てて、新しいマウントにするとかね。これは根本的なフォーマットを変えるということで、簡単にはできない決断だ。
フォーマットのちゃぶ台返し何度もやってきたのが、Appleだ。
古くなった規格を捨て、新しいものに置き換えると、ユーザーは混乱するし、新たな出費も余儀なくされる。しかし、それでより快適になるのならと、受け入れてきた。それができるのは、Apple信者ともいわれる、熱烈なファンがいるからだ。
そのAppleも、最近はちゃぶ台返しをしなくなっている。これはメーカーとして、柔軟性がなくなりつつある徴候なのではと思う。
交換レンズのマウントは、統一規格でユニバーサルにしてほしいものだ。
カメラ業界全体として、今後も生き残っていくことを考えたら、メーカーごとにマウントが違うのは、デメリットでしかない。
NIKONのレンズはマウント変換アダプターを使用することで、CANONのボディに付けることは可能だが、逆はできない。その点では、NIKONは損をしている。
マウントが異なることで、ユーザーを囲い込む狙いもあるのだろうが、それは楽観的な期待だと思う。
私は以前はCANONユーザーだったが、NIKON D800が出たときに、このカメラに惚れこんで乗り換えた。CANONのボディやレンズは、友人に譲渡したり、オークションで売り払った。
マウントは一時的な囲い込みにはなるものの、永続的ではないのだ。
むしろ、マウントが共通で、レンズ資産を活かせるのなら、他社メーカーの欲しいカメラはたくさんある。それが自由にできないのは、マウントの縛りがあるからだ。
はたして、NIKONはどうなるのか?
いずれにしても、今後の動向が気になるところ。