猫だって寂しいときはある…ただし理由は人間とは違う

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テンテン

テンテン

猫は犬のように群れの動物ではないので、人間と犬とのように密接な関係にはなりにくい。
かといって、ペットとして飼われる猫が、孤独を好むかというと、そうではない。
猫と人間の関係は、つかず離れずの適度な距離感が必要だ。

猫も寂しがりやなのか?……という記事。

猫も寂しがり屋? 人に寄り添ってくる本当の気持ちは… – 特集 | sippo(シッポ) ペットのための情報・サービス

 家に一人でいると寂しいときがあるけど、猫を飼い始めてからは寂しくなくなりました。では反対に、飼い猫は家に人がいないとき、寂しさを感じるのでしょうか?

(中略)

猫を飼う前に、「猫も寂しがることがあるので、留守番は少な目で、2匹以上で飼ったほうがよい」と何かで見たことがありますが、うちの猫同士も一緒に過ごすことのほうが多いので、誰かと一緒にいたい気持ちや、寂しさはあるのかもしれません。

人間は「ひとりが好き」という人であっても、社会との関係性を完全に遮断して生きてはいけない。動物としての人間は、群れの動物であり、社会という群れの中で自分の居場所を確保することで、人間らしく生きていけるともいえる。

猫科の動物は、犬のような社会的な群れは作らないが、家族というゆるい関係の群れは作る。ただ、それは子供が幼少期の間だけで、成長して成猫になると関係性は薄まる。
兄弟猫の場合、成猫になっても仲良しだったりはするが、母子の場合は子猫が成猫になると、親からは独立する。家族関係が成立するのは、短い期間だけだ。

かといって、猫が孤独を好むわけではない。
遊び相手、あるいはケンカする相手が必要なときもある。ケンカは、狩りや交尾相手を獲得するための本能の現れでもあるからだ。群れを作るわけではないが、ゆる〜いつながりはある。

室内飼いの猫の場合は、事情が異なる。
食べものは人間が用意するし、遊び相手も人間だ。飼い主に媚びを売るのは、猫が欲求を満たすための手段になっている。
どうすれば、食べものをもらえるか、遊んでもらえるか、猫は賢いからその方法を学ぶ。それが甘えるということだ。

人は孤独を寂しいと思い、猫を飼うことで寂しさを癒す。猫を擬人化しているわけだ。
一方、猫だってひとりでは寂しいのだが、孤独感から寂しいのではなく、食べものが欲しいから、遊び相手が欲しいから、人に甘える。
たぶん、猫は人のことを、大きい猫くらいにしか思っていない(^_^)
しいていえば、母猫という認識だろう。
家猫が人に甘える姿は、子猫が母猫に甘える姿とそれほど違わない。だから、歳を取っても子猫がするような仕草が残る。

甘えてくる猫を、人間は「かわいい」と思ってしまう。
猫の本心はどうあれ、人間は自分の都合のいいように解釈する。その誤解が、人と猫の関係性を良いものにしている。
ある意味、愛情はポジティブな誤解の上に成り立っている。まぁ、それは人間同士の関係性でもいえることだが。

うちには現在6頭の猫がいるが、私に甘える猫と、妻に甘える猫に分かれている。
私に甘える猫の「テンテン」は、夜寝るとき、
「テンテン、寝るよ」
と私がいうと、寝室に行く私のあとから、いそいそついてくる。そして、布団に入った私の隣に潜り込む。
しばらくは一緒に寝ているのだが、私は眠りにつく頃には出ていく。
きっと、「今日の義務は果たしたぜ」みたいな感覚なんだろう。私に愛想良くしていれば、かまってもらえるからだ。

うちの猫たちは高齢になってきたから、あと何年一緒に過ごせるかはわからない。
6頭のうち、3頭が病気持ちだ。テンテンも口の中に腫瘍があり、今はまだ深刻ではないが、いずれ悪化するだろう。
もっとも状態が悪いのが、一番年下のカールだ。年下といっても、もう10歳、人間に換算すると70歳だ。
最近、ますます痩せて、衰えてきた。
そう長くはない。
あと数週間保てばいい方だろう。

別れの日は、近い。

それを思うと悲しくなる。

 

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