「外国人専用」表示が差別になる理由

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「外国人専用」表示が差別になる理由

あるホテルで、エレベータに「外国人専用」「日本人専用」と表記したことが、差別だと批判されたという。
この件に関して、ヤフコメなどでは「差別ではなく区別だ」「クレームつけすぎ」といった、差別ではない発言が大勢を占めている。
こうした反応は、差別感覚が鈍い日本社会を反映している。

ホテルエレベーターに「外国人専用」掲示 差別批判受け撤去 | 毎日新聞

東京都千代田区の「赤坂エクセルホテル東急」が、ホテル内のエレベーターに「外国人専用」「日本人専用」という掲示をしていたことがホテルへの取材で判明した。東京オリンピック・パラリンピックの大会関係者と一般客の動線を分ける目的だったが、差別だとの批判を受けて撤去した。

(中略)

ホテルによると、大会関係者の宿泊が予定されていたため、9日にエレベーター4基のうち2基を「外国人専用」、残りの2基を「日本人専用」とし、それぞれエレベーター前と内部に張り紙をした。その後、「差別に当たる」「(外国人専用は)日本人は使えないのか」との指摘を受け、「外国人優先」などと表記を変更したが、11日までに撤去をした。

この一件でなにが問題かというと、外国人と日本人という分け方をしたことだ。
この分け方は、国籍および人種によって単に区別しただけでなく、「専用」として分離したことが問題なんだ。
防疫上、隔離は必要な手段ではあるが、「外国人専用」「日本人専用」と表記したことで、防疫上の理由である意味がふっ飛んでしまった。

かつて、アメリカでは「白人専用」「黒人専用」といった区別がされていた。当時はまだ差別が問題にされることはなく、住み分けのための区別の感覚だった。
区別と差別の違いは、対象が人間である場合は、微妙な問題になる。
なんらかの線引きをして人と人を区別することは、必然的に差別が内包されてしまう。
些細な区別が、大きな差別に化けることはよくある。

導線を分ける必要があるとのことだから、ホテルの入口からエレベータまで、物理的に遮断しなくてはいけないはず。仕切りのロープを引いて分けるだけでは、感染予防にはならない。
であるならば、入口に「大会関係者入口」と表示すればいいだけ。その入口を通れば、専用のエレベータに向かうことになる。

4基あるエレベータのいずれにも乗れるような状態にしているのが間違い。間に壁を作って、導線を完全に分離するのが最適解だろう。
とはいえ、そもそも一般客と大会関係者が同じホテルを利用できる前提になっているのも問題。ホテルごとに一般客用と大会関係者用に分ければ、こういう微妙な問題は起きない。

「専用」という言葉が強すぎたというのもあるね。
そして、外国人と日本人に分けてしまったことで、差別的意味合いが付加されてしまった。
無難なところでは、「大会関係者用エレベータ」として、対比される「日本人専用」の表示はしない。
差別というのは対比対象がある(連想させる)ことで成立するので、外国人:日本人という対比を出さなければ問題は起きにくい。

一般客と大会関係者客はフロアごとで分かれているのだろうから、エレベータは途中階には止まらない設定にしていたはずだよね?
だとしたら、何階行きという表示でもよかったのでは?

配慮が足りなかったというより、想像力が足りなかったんだね。

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