「半分、青い。」が終わって感じること。

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NHKの朝ドラ「半分、青い。」は、昨日、最終回となった。
最終週の1週間は、バタバタと慌ただしくドラマが進行して、とりあえず主立った伏線を回収したという展開だった。

最終回は、大団円のハッピーエンド。
そうせざるをえない面もあるが、いささか取って付けたような終わり方ではあった。

以前書いた、『半分、青い。』は批判的”怪”作 の記事が、数日前から異常なアクセスになっていた。8月に書いた記事だったが、今ごろ注目されたようだ。Twitterのあるアカウントからリンクされていたのだが、なぜ今ごろ?……と、ちょっと不思議だった。

長く続くドラマは、見ていれば主人公に愛着が出てくるものだが、「半青」はそういう感情がわかなかったドラマでもあった。
スズメのように、自己中で人の神経を逆なでするような性格の人は、周りに1人くらいいるものだが、こっちが意識して距離を取っているにもかかわらず、図々しく関わってきたりする。
相手は嫌われているという自覚がない。
その無神経さが、さらに嫌われるのだが……。

ある意味、スズメのような人間は、寛容さを試されるリトマス試験紙でもある。これに腹を立てると、寛容さが足りない、あるいは忍耐力が足りないというわけだ。
ドラマの中のことだから、こっちには実害はないため、苦笑しつつも見ていられるが、リアルでスズメと関わっていたら、堪えられる自信はない(^_^)。
おそらく、そう感じていた視聴者は多いのではないか?

ドラマとして評価するなら、私の採点は30点の赤点。

評価できるのはマンガ家編までで、それ以降はグチャグチャ。
無駄に登場人物が多いし、ストーリーは破綻していた。

ところがである。
いわゆるプロの評論家諸氏で、批判する人がほとんどいなかった。
歯切れの悪い、ヨイショの記事は見かけたが、面と向かって批判する記事は見られなかった。
なにやら「忖度」が働いているのではと思った。
天下のNHKであり、視聴率のいい朝ドラだから、悪いことは言えないみたいな空気があったのかもしれない。

批判する評論家はいなかったが、絶賛する評論家もいなかった。
脚本家の自画自賛と、NHKトップの称賛だけが際立っていた。
そのコントラストというかギャップが、このドラマを象徴している。

ドラマのタイトル通り「半分青い」だ。
身内の称賛は青空で、もう半分は視聴者の批判の嵐だった。その嵐は聞こえないから無視し、結果として、視聴率は取れた。制作側はそれで満足なのだろう。

「新しい朝ドラ」と自己評価したNHKだが、新しいことが良いこととは限らない。
半分、青い。」が、名作として刻まれるかどうかは疑問だ。
実験作だったとは思うが、完成度は低かった。細部の詰めが甘かったのだ。できあがったものは、見た目はいいが、味も食感も悪い、不味いショートケーキみたいなもの。

「苦労して作りました」と作り手にいわれて食べてみたが、笑顔を浮かべながらも、心の中で「まずーーい!」と思う、そんな心境。
後味の悪い朝ドラは、もう勘弁して欲しい。

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