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 Googleをはじめとして、自動車の自動運転……自律走行の開発が進んでいる。
 技術的な壁だけでなく法的な壁もあるが、ゆくゆくは自律運転で走る車が普通になっていくのだろうとは思う。
 現状の自律走行車を、安価な機器でハックできてしまったという。

グーグルの自律走行車を40ポンドでハックした男 ≪ WIRED.jp

セキュリティ研究者が、単純な手製のレーザーガジェットで簡単に自律走行車を妨害できることを発見した。

Google Xが開発しているタイプの自律走行車は、その「目」としてレーザー光を使ったレーダー「LIDAR(ライダー)」を使っている。簡単に説明すると、レーザーが照射され、それが当たった物体からの反射光が分析されて、クルマと障害物の距離が測定されるという仕組みだ。これによって、進むべき道がわかったり、危険を察知したりすることが可能になる。

LIDARシステムには何万ポンドもの費用がかかる。にもかかわらず、このような自律走行車をたったの約40ポンド(約7,400円)で「だます」方法を発見した、とジョナサン・ペティットは語る。

 平たくいえば「目くらまし」だね。
 コンピュータのセキュリティホールを発見する技術者もすごいが、自律走行の盲点を発見するのもすごい。
 その仕組みを明かされると、「なるほどね」と合点のいくウィークポイントだが、これは自律走行の開発者も気がつかなかったのだと思う。
 インターネット草創期にも、セキュリティの意識は低く、悪意ある攻撃は想定されていなかった。同様のことが、自律走行車にもいえる。技術者は、まさかレーザーを照射して妨害されるなんて考えなかっただろう。たくさんの車が自律走行になると、あちこちにレーザー照射がされることになり、それらが干渉しあうことも考えられる。
 レーザーと併用して電波を飛ばすレーダーを使う方法もあるが、電波の方が干渉は起きやすい。車が渋滞すると、自律運転が混乱するなどということもあるのかもしれない。
 レーザーやレーダーの信号を暗号化するのはひとつの方法なのだろうけど、暗号を解くための時間がわずかだがかかる。コンマ数秒のずれが自律運転の反応を遅らせるようでは、安全性が低くなる。

 人間の判断がいつも適切なわけではないが、目で見て、耳で聞いて、一瞬先の未来を予測して「危ない」と判断できる人間の脳は、なかなかに優れている。
 AIが進化すると、そういう判断ができるようになるかもしれないが、まだまだAIに「直感」や「予測」を期待するのは無理がある。
 人間の判断ミスによる事故を防ぐのに、自律運転はある程度有効だと思うのだが、ハックされやすいなどの弱点もある。
 今後、自律走行車がどういう発展をしていくのか、興味をそそられる。

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