素晴らしい写真……を撮りたいものだ

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 写真は長年の趣味のひとつだが、なかなか素晴らしい写真は撮れない。
 撮影テクニックもさることながら、風景写真の場合には「運」も左右する。絶好の場所に、絶妙なタイミングで巡り会う必要がある。
 ときどき、そんな素晴らしい写真を目にすることがあるが、素晴らしいと感動すると同時に、うらやましいとも思う。
 以下も、そんな写真。

息を呑むとはまさにこのことだ 未来に残したい日本の風景が美しすぎる – ねとらぼ

 未来に残したい日本の風景写真「日本遺産」フォトコンテスト受賞者の作品が、圧倒的美しさで息を呑みます。

最優秀賞の「田染荘夕景」は、国の重要文化的景観に選定され、世界農業遺産の一部にも含まれる大分県豊後高田市の田染荘の夕景を撮影したもの

最優秀賞の「田染荘夕景」は、国の重要文化的景観に選定され、世界農業遺産の一部にも含まれる大分県豊後高田市の田染荘の夕景を撮影したもの

 絵画のように美しく、感動的な風景だ。
 こういう作品を見せられると、まだまだ私も未熟だなと思う。
 ここに掲載されている4点の写真のうち、2点の撮影場所が私の出身地である大分県になっている。
 なんということだ!(笑)

 2年ほど前(現在年からは13年前)に実家に帰省した際、大分県内を親父の車で撮影行脚してまわったのだが、天候に恵まれずあまりいい写真は撮れなかった。受賞作の風景となっている、大分県豊後高田市の田染荘にも行きたかったのだが、結局行けずじまい。たとえ行ったとしても、こういう風景は撮れなかっただろう。

 私が子ども時代を過ごした田舎は、まだまだ昔の日本の風景が残っていた。「となりのトトロ」のような田園風景があったのだ。今では都会化が進んで、私が遊んだ山野は住宅街に変貌して失われてしまった。古き良き日本の風景を探すには、もっと郊外に行かなくてはならない。大分県は山地が多く、内陸にいくほど都会化の浸食は少なくなる。とはいえ、絵になる風景というのは探し出すのは容易ではない。
 私が子ども時代を過ごした故郷には、かつての風景は残っていない。記憶の中にある「故郷の原風景」は、どこか別の場所で探すしかない。自然や田舎の風景にひかれて、撮りたいと思うのは、原風景への郷愁だ。

 写真を撮るときには、いくつかのテーマを持っている。
 風景の場合には「原風景」がそのひとつ。
 先日、妻と一緒に河口湖に行ってきたのだが、視界の中に「山」があると落ち着く。東京に住んでいると、ビルばかりで山が見えないのだが、上京してきたとき、「山」のない風景にとても違和感を感じたものだ。私の田舎では、平野が少なく、海から山までが近い。視界の中には、いつも山々があった。
 山が見えていると、空間に遠近感と立体感を感じる。山の位置が基準点となり、方向感覚や距離感もわかりやすくなる。空間認識能力が高まるのではないかと思う。
 東京育ちの妻が、ありえないほど方向音痴なのは、山のある環境で育っていないからだろう(笑)。

 ともあれ、とても素晴らしい写真を見せていただいた。
 こういう写真を撮れる日が、いつか来ますように……。

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