そこまで必要か?……とも思う、次世代の通信規格の記事。
米国で開始の新規格「スーパーWi-Fi」、世界に普及するか 国際ニュース : AFPBB News
スーパーWi-Fiは、無線LAN規格のWi-Fi(ワイファイ)とは別の周波数帯域を使用し、特別な機器を必要とするもので、正確にはWi-Fi技術ではない。
(中略)
テレビ放送用の帯域を使うため、無線信号はWi-Fiよりも広範囲に届く。理論値では最大160キロメートル(100マイル)先まで届くというが、実際の利用時には到達範囲は数マイルの距離にとどまる見込み。
まぁ、広大な国土のアメリカには必要かもね。
周波数としては50MHz帯と700MHz帯を想定しているようだ。
700MHz帯は、日本では携帯電話の周波数帯でもあるから、難しいように思う。つながりやすいといわれるプラチナバンドでもあるが、その理由は周波数が低いことによる波長の長さだ。
700MHzだと波長は428.27494mmで、50Mhzだと5.99584916m(単位が違うので注意)。
平たくいうと、700MHzは40センチメートルくらいの壁はまたぎ越せるということ。50MHzでは、5メートルの障害物もまたぎ越せる。
このニュースについてのコメントに「免許が必要なので無理」というのがあったが、それは法改正すればいいのだし、問題は電波の出力だ。
50MHz帯というのは、アマチュア無線の周波数帯でもあるのだが、アマ無線のように10Wの出力が必要なわけではない。免許不要のCB無線(いわゆるトランシーバー)の場合、出力は0.5Wまでだ。
おそらくスーパーWi-Fiとして必要な出力も0.5W(500mW)以下で十分なはず。基地局の受信・送信の能力を上げればよい。それならば免許不要の範疇だろう。いずれにしても法改正は必要だが。
「アンテナが長くなる」という指摘もあったが、700MHz帯では現行のケータイやスマホと同等、50MHz帯だとたしかに長いアンテナは必要ではあるが、コイルで短縮できるので、15~20センチくらいにはできる。携帯電話の初期にはけっこう長いアンテナがついていたが、現在ではアンテナの突起が出ているものの方が少なくなった。形状を工夫すれば対処法はあるように思う。
電波の到達エリアが広いことで、基地局の数が少なくて済むから、設備投資としては効率的だ。ただ、現行のWi-Fi設備がどんどん拡充しているので、市街地ではスーパーWi-Fiは必要ないかもしれない。
郊外や山間部で有効かもしれないが、それだと需要が少ないという矛盾もある。
なかなか難しいだろうね。