サッカーのアジアカップ2019が始まった。
日本の初戦はトルクメニスタン。
先制され、3-2という辛勝だったことで、批判記事が多く出ている。
だが、私はこんなものだろうと思う。
日本代表の公式戦で、楽勝する試合の方が少ないのだし、相手が格上とか格下はあまり関係ない。そもそもその格付けは、過去の戦績からのランク付けであって、結果論でしかない。世界ランク1位だからと、無敗というわけではないのだ。
多くの人が勘違いしているのだが、FIFAランキングには強豪国の多い欧州と南米に都合のいい仕掛けがされていて、アジアの日本には不利な条件でポイント付けがされている。
また、順位で見ると50位と127位で大きな差があるように錯覚するが、実際にはポイント数の差は少なく、大きな差はない。
そのへんは私の以下の過去記事を参照。
FIFAランキングについての考察(みたいなもの)
FIFAランキングについての考察(その2)
FIFAランキングの偏差値(2008/07)
上記の記事は10年前に書いたものだが、基本的なことは変わっていない。
最新のFIFAランキング(2018年12月)を見ても、トップのベルギー(1727pts)と50位の日本(1414pts)のポイント差は、313pts。
対する127位のトルクメニスタン(1120pts)との差は294pts。
日本とトルクメニスタンの順位差は77位あっても、ポイント差は1位のベルギーよりも少ない。
言い方を変えれば、ロシア大会で日本がベルギーと惜しい試合をしたように、トルクメニスタンが日本と惜しい試合をしたのは、似たような状況だともいえるわけだ。
FIFAランキングの順位は、勘違いするトリックでもあるわけで、データとしてみる場合には、ポイント数ならびに偏差値から見る方が適切である。
サッカー評論家各氏の記事を読んで、もっとも適切な評価と感じたのは、以下の記事。
【二宮寿朗の週刊文蹴】難しい初戦「しぶとく勝った」で十分 : スポーツ報知
心身のコンディションは70%ほどと見受けられた。そのマイナス30%がミスや重さ、集中力の欠如につながっていたと解釈する。それでも勝ち点3を得たのだから、むしろ辛抱強く勝ち切ったことに目を向けたい。引いてきた相手に対する崩しやカウンターの対処に課題は残るものの、所属クラブで出場機会に乏しい選手や、合流間もない選手もいる。バラバラのコンディションを合わせ、環境にアジャストするにはある程度時間も必要だ。そう考えれば目くじらを立てなくていい。
ほぼ同意。
今の日本代表に必要なことは、「負けないこと」だと思う。
FIFAランクのポイントを稼ぐには、アジアは不利だとしても、勝たないとポイントは得られない。レベルが低いといわれるアジアで勝てなければ、世界を相手に勝てるはずもない。
無様な試合であっても、とにかく勝つこと。
負けて得ることよりも、勝って得ることの方が多い。
トルクメニスタン戦を酷評しているサッカー評論家は多いが、それは評価の視点が間違っていると思う。
日本は常勝国ではないし、強豪国でもない。
酷評している人は、日本の実力を過大評価しすぎだ(^_^)。
楽勝できるだけの実力があれば、少なくともイランと同等のFIFAランキングの30位以内には入れる。
強い日本と自負するためには、20位以内には入らないとだめだろう。
40位〜50位レベルでは、まだまだ弱小だと自覚した方がいい。
そのためには、とにかく勝ち続けること。
それ以外に、成長する方法はないと思う。