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妻がいま夢中になっているもの……。

それが電解水だ。

「でんかいすい?」と、問い返されそうだが、水に電極を入れて、電気分解する要領でプラス側に集まる水と、マイナス側に集まる水で使い分けるものである。

水や水溶液にはpH(ペーハー)というのがある。pHとは「potential of hydrogen」の略で、水素イオン濃度を表す指数……つまり水素指数のことだ。これは水(あるいは水に他のものを溶かした水溶液)の酸性かアルカリ性かを識別する値として使われる。

pHが7で中性、数字が大きくなるとアルカリ性になり、逆に7以下だと酸性になる。水道水には殺菌のための塩素が含まれているため、やや酸性になっている。

つまり、電解水とは、電気を通すことによって、酸性水とアルカリ水を作ることなのだ。

以前、5〜6年前(現在年からは26年〜27年前)にも私が購入したアルカリイオン水の器具があったのだが、故障して使わなくなっていた。アルカリイオン水でお米を炊くと美味しくなる……というのは経験済みだった。

アルカリイオン水の効果としては、次のようなものがあるという。

特に消化器症状に効果があるということで、アルカリイオン水整水器でつくりだされるアルカリ性電解水が注目されている。これは、水道水の中の塩素などの有害物質を取り除き、電流を流して電気分解してつくるもので、ミネラルが豊富になり、特にカルシウムの値が元の水より高くなり、健康にもプラスに作用するといわれている。国立大蔵病院消化器科で、消化器系の不調を訴える二五人に対して、市販の整水器で精製したpH九〜九・五のアルカリイオン水五〇〇ミリリットルを二週間飲ませてその効果を検討したところ、著明改善一二%、改善二四%、やや改善五二%、不変一二%という結果が出た。やや改善を含めると八八%に改善効果が認められたという。

そのアルカリイオン水を初めとした電解水を生成する器具を、妻が新たに購入した。その器具は医療用としても認可されている、性能のいい高価な器具である(^^;)。以前のものは安価な市販品だったが、今度買ったものはいろいろと特別な機能を持っている。

アルカリイオン水の逆の、酸性水には殺菌効果があり、化粧水には弱酸性の水が使われている。つまり、わざわざ高価な化粧水を買わなくても、自宅で手軽に化粧水を作ることができるというわけだ。しかも、これは特別に作る必要のないもので、アルカリイオン水を出せば、反対側の口から酸性水が出てくる。一石二鳥である。

この電解水生成器を買ってからというもの、妻はいろいろと実験をやっている。

なんでも市販の化粧水を使うよりも、酸性水の方が肌に優しくて、ツルツルになったとか。肌荒れの酷かった手に使っていたら、肌荒れが治ったとか。

飲み水にはアルカリイオン水を使うが、水が美味しくなったことはもちろんのこと、市販のミネラルウォーターよりも飲みやすいそうだ。

このアルカリイオン水は、猫たちにも好評である(笑)。アルカリイオン水を出すと、器具がピーロロピーロロと「エーデルワイス」の曲を鳴らすのだが、この音がすると猫たちが「お水ちょうだい」と寄ってくるのだ。そして、汲んでやると美味しそうにペチョペチョと飲んでいる。じつのところ、私にはそれまでに飲んでいたミネラルウォーター(鹿児島の水を、月に20リットル定期購入していた)との区別はあまりつかないのだが、猫たちには違いがわかるようである(^^;)。

しかし、アルカリイオン水の良さを実感したことがあった。

それはうちでの料理をほとんど担当している私の、料理でのことだ。(妻はうちではほとんど料理をしない。できないのではないが、下手なのだ(^^))

朝食としてホットケーキを作ろうと思って、準備を始めたのだが、牛乳がないことに気がついた。しかたないので、水で粉を溶いたのだ。ちなみに、ホットケーキはホットケーキミックスとかの、レトルトものではない。小麦粉とベーキングパウダー、砂糖(三温糖)と蜂蜜、そして卵に牛乳と、それぞれの材料から作るものである。

この材料のうち、牛乳を切らしていたので、アルカリイオン水を使ったのだ。するとどうだろう。驚いたことに、ホットケーキの膨らみ具合と、歯ごたえのシャキシャキ感、さらには味にも深みが増していたのだ。

以来、ホットケーキを作るときには、アルカリイオン水と牛乳を半々にして作っている。なかなか美味しいホットケーキとなった。

『奇跡の水』……と呼ばれるものが、世界の各地にある。その水を飲むと、長年の病が治ったとか、不治の病を宣告された人が快復したとかいう、そんな水だ。

その水の治癒力の原因はなんなのか?……

答は、どうやら水の中に含まれる活性水素の量らしいのだ。

体内には活性酸素があり、これは免疫系の武器でもあるのだが、多すぎると自分の細胞も傷つけてしまう。その活性酸素を中和するのが、活性水素である。活性水素は活性酸素と結びついて、無害な水に変化する。

「奇跡の水」と呼ばれるものには、この活性水素が多く含まれているため、体内の活性酸素を無害化して排出することにより、体の持つ自然治癒力を高める……というメカニズムだという。

そして電解水で生成されるアルカリイオン水もまた、活性水素を多く含んでいる。

これが体に良いとされる、最大のポイントである。

そんなこんなで、妻は電解水に凝っている(笑)。

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