虫が媒介する身近にある感染症…デング熱(蚊)とSFTS(マダニ)」の続き。

降ってわいたデング熱騒動で、代々木公園がピンチ?
代々木公園で採取された蚊から、デングウイルスが検出されたようだ。

採取した蚊からデングウイルス検出、今も生息か : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 東京都渋谷区の代々木公園やその周辺の訪問者にデング熱の感染者が相次いでいる問題で、都が同公園で採取した蚊からデングウイルスが4日朝、検出された。都はウイルスを持つ蚊が今も公園内で生息しており、訪問者への感染が広がるおそれもあるとして、蚊の駆除などの対策を進める。

デング熱発症のニュースが流れた直後にも蚊を採取していたが、そのときにはウイルスは検出されていなかったのに、2回目で検出。1回目はニュース映像を見た限りでは、捕虫網で捕っていたから、サンプル数が少なかったのだろう。ようするに、採取方法が適切ではなかったということだね。

今回、ウイルスが確認されたことで、ウイルスを保菌している蚊の数が、数匹レベルではなく、数十匹~数百匹という可能性が出てきた。

これを受けて、公園を封鎖するという。

時事ドットコム:代々木公園を封鎖=デング熱、蚊からウイルスで-東京都

 東京都は4日、代々木公園(渋谷区)で採集した蚊からデング熱のウイルスが検出されたため、同公園について一部を除き、同日午後2時から封鎖したと発表した。

まぁ、当然といえば当然ではあるのだが、当初はあまり危機感がなかったために、殺虫剤をまいただけだった。その後、公園に行く人は減ったそうだが、途絶えたわけではなかったので、騒動発生後に感染した人もいるのではと思う。デングウイルスに感染しても、顕著な症状を発症しない人もいるので、その場合には保菌者になってしまう。普通に考えると、代々木公園に立ち寄って蚊に刺された人が、それぞれの地元にウイルスを持ち帰ったと考えられる。とすれば、すでに拡散しているかも。

公園の一部が封鎖されると、産卵のために血を必要とする雌の蚊は、人がいる地域に移動するだろうから、デング蚊は周囲に拡散していくのではないかと思う。封鎖には、弊害もあるということ。

また、デング熱を発症した人は、再感染に要注意だという。

デング熱 再感染すると致死率10~20%のデング出血熱発症も:イザ!

 「デングウイルスには4つのタイプがあり、初感染のときは軽症例が多いですが、再感染すると“デング出血熱”を引き起こす可能性が高まります。適切に治療しないとその致死率は10~20%ともいわれているんです」(前出・森田氏)

ここでいう再感染は、タイプの違うデングウイルスへの感染だ。同じタイプのデングウイルスであれば抗体ができるが、タイプが違うと重症化するらしい。しかし、そのメカニズムはわかっていないようだ。

わかっていないのは、ヒトスジシマカの生態もだ。
デングウイルスを保菌したヒトスジシマカが卵を産んだ場合、ウイルスが卵に伝染するかどうか、学者によって見解が違う。過去、卵からウイルスが検出された例はないとのことだが、可能性は否定できないということらしい。感染した蚊を飼育して、卵からウイルスが出てくるのかどうか、もう一度調べる必要がありそうだ。もし、卵にも感染するのなら、ヒトスジシマカは卵で越冬するので、デングウイルスが日本に定着することにもなってしまう。

ヒトスジシマカの生態は……
●卵(2~3日)

●ボウフラ(7~10日)

●サナギ(3日)

●成虫(1ヶ月~2ヶ月)

……ということなので、今現在、代々木公園でウイルスを保菌したヒトスジシマカが、あと1ヶ月くらいは生存することになる。公園の封鎖は、少なくとも1ヶ月みないといけないね。

また、ヒトスジシマカの卵は1度の産卵で50個ほどの卵のかたまりを産むので、卵にウイルスが感染するとなると、次の世代は数が50倍になってしまう。
そうなったら、大変なことになる。

毎年のインフルエンザと同じように、毎夏はデング熱が流行するようになってしまうのかも。

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