胡散臭いカーボンオフセット

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 引き続き、温暖化関連の話題。
 「カーボンオフセット」が流行(?)のようなのだが……。
 なんか胡散臭い。
 古紙リサイクル偽装と似たような、名前だけのエコのような気がするのは私だけだろうか?

[経済] カーボンオフセットが消費にもたらす影響とは? | RxR | R25.jp

カーボンオフセットとは、その商品の製造や輸送中にかかったCO2の排出コストを算出し、クリーンエネルギー事業や植林プロジェクトに投資することで相殺するというもの。環境問題が重要な議題となる7月の北海道洞爺湖サミットを間近に控えていることも、カーボンオフセットが注目を集めている一因と見られている。

 理念は素晴らしいとは思うのだが、その実績を誰が客観的に評価するのか?
 自己申告だけでは信用するしかなく、確かめようがない。

 企業は「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」として、「これこれ、これだけ社会的な責任を果たしています」と成果を誇らしげに発表している。その中には、環境問題に関する成果も含まれている。それらを見る限りは、成果を上げているというプラスイメージばかりだ。
 にもかかわらず、日本は京都議定書の目標を達成できそうになく、その帳尻合わせに排出権を大量に買おうとしている。
 多くの企業が削減の成果を発表しているのに、日本全体としては目標を達成できないのは、どこの計算が合わないのか?
 一般家庭からの環境負荷が大きすぎるのか? 
 それとも中小・零細企業が努力していないのか? 
 それともCSR報告がインチキなのか?
 ……それらの因果関係ははっきりしない。

 カーボンオフセットも、都合のいい方便に使われているような気がする。途中経過も結果も目に見えにくいだけに、誤魔化しができてしまうのだ。
 たとえば、カーボンオフセットで植林しているという。

EICネット[環境用語集:「カーボンオフセット」]

日本でも最近カーボンオフセット募金がはじまった。1000円一口(3本のヒノキを1年間育てる)と5000円一口(16本のヒノキを1年間育てる)の2種類である。

 そうした取り組みが大々的にされているのであれば、数万本~数十万本の植林が実現していても良さそうなものだが、その成果についての具体的な報告は見かけないし、その森がどこにあって、どれだけ植林できたかの証拠となる写真や映像も見かけない。
 カーボンオフセットの募金サイトはあるが、どのくらいの募金が集まって、森がどのくらい増えたかの報告はなかった。それはなぜなのか? まだ始まったばかりだから成果がないのか? そこが曖昧でわからない。

 そのうち、カーボンオフセット偽装なんていう事件が発生しそうな気がする。

【追記】

 カーボンオフセット募金は、2004年5月を最後に情報の更新はなくなっていた。
 募金の主催団体である「国際環境NGO FoE Japan」のサイトでは、広く寄付は募っているが、カーボンオフセット募金についての言及はないようだ。

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