オリンピックの話題が連日にぎわっている。
サッカーはグループリーグ敗退してしまったが、初戦に負けるとだめだろうとは思っていた。過去、W杯・オリンピックで、日本は初戦に負けてグループリーグを突破したことはないし、世界的に見ても突破した例は少ないからだ。
むしろ、三連敗しなかったことは褒めてあげたい。
関連記事→【サッカー】日本選手のスピードが遅いのはなぜか
それはさておき、「オリンピックのプールはなぜ突然「緑色」になったのか?」という不思議なニュースがあった。それについての記事なのだが、真面目な考証かと思ったらジョークだった(笑)。
オリンピックのプールはなぜ突然「緑色」になったのか?|WIRED.jp
オリンピック飛び込み競技が3日目を迎えた8月9日、飛び込みプールの水が緑色に変わっていた。オリンピック委員会は「原因は調査中」と語っている。ありうる理由を考えてみた。
ここに出ているジョークは、あまり面白くない。
水質検査をして、特に有害なものは検出されなかったとのことだが、考えられる理由を真面目に考えてみる。
色が変わったということは、その色の原因となる物質が含まれていることを意味する。
プールの水を「水溶液」と考えると、純粋な水だけでなく、消毒用のカルキ……つまり、塩素も含まれているはずだ。カルキは、正式名称を「次亜塩素酸カルシウム」というが、水酸化カルシウムに塩素を吸収させたもの。
化学反応を起こすとすると、水の性質や塩素がなにかに作用して、緑色の元となる元素またはイオンを水溶液中に放出したと考えられる。
カルキが含まれていると、水溶液はpH5~9で弱酸性~中性~弱アルカリ性になる。ただし、これは日本での話。
日本は軟水だが、海外では硬水であることが多い。
調べてみると、ブラジルの「サンパウロやリオなどの下の方は硬度0~50」というデータがあった。つまり、軟水。この数値は、東京都の水の硬度(約65)よりも低い。軟水は、水道管などの金属を腐食しやすいという。
ブラジルの水のpHがどのくらいかの資料は見つけられなかったが、ミネラルウォーターとして出回っているブラジル産の水は、pH7以下の弱酸性のものが多いようだ。
ブラジルの水は、軟水で弱酸性の水……ということが推定できる。
水溶液を緑色にしてしまう元素として考えられるのは、鉄と銅だ。色をつける元素はほかにもあるが、比較的無害でプール施設にありそうなものとしては、鉄製品と銅製品だと思う。水道管が鉄、機械部品の一部に鉄や銅も使われる。
それらが弱酸性の水によって溶け出したのではないか?
銅は通常青色に発色するが、塩素と結びつくと塩化銅となり緑色になる。
鉄は弱酸性に漬けておくと、2価の鉄イオンとして溶け出す。このとき、水溶液を緑色にする。
緑色の正体が藻などの生物由来でないとすると、鉄イオンの可能性が高い。片方のプールだけというのが不思議ではあるが、緑色になった方の水の酸性度が高かったか、使われている鉄の品質が悪く、腐食しやすいものであったのかもしれない。
いずれにしても、謎は解明して欲しいね。
【追記】2016/08/19
諸説出ていた原因だが……
ミスも笑顔で解消!? 国歌間違え・緑のプール… リオ五輪:朝日新聞デジタル
原因について組織委は、契約業者が誤って過酸化水素を入れたためと説明。その結果、塩素の作用が弱まり、藻が大量発生したという。
藻だったなら、顕微鏡で見ればすぐに判明しただろうに……という疑問も。
過酸化水素は消毒液としても使われるが、なぜプールに投入したんだ?(^_^)