【サッカー】代表監督選びを花嫁探しに例える愚

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サッカー日本代表監督が誰になるのか?
……に関連した記事が、いろいろと出ている。

公にはされていない候補が誰であるかの推測や、候補とされる監督からオファーされたが断ったというニュースも出てきた。
情報が錯綜しているので、監督選びは難航しているような感じになっている。

そういう状況についてのコラムなのだが、読んでいて「ぷっ」と笑ってしまった。

【甘口辛口】“二流サッカー国”の日本が一流代表監督にこだわる愚(1/2ページ) – 産経ニュース

 代表監督選びはまるで、高望みの花嫁探しに見えてくる。代表監督を歴任したか、欧州最高峰の欧州チャンピオンズリーグでの監督経験などの実績があり、日本人の良さを生かしてくれる人…。何やら「美人で家庭環境がよく、一流大学出の才媛、料理も上手…」といった花嫁の条件みたいだ。

例えとしては面白いが、この場合、監督選びを「婚活」と同様だと想定することが適切かどうかってところがポイント。
監督が嫁さんならば、チームは婿ということになるが……

うちの息子は、ダメ男で、イケメンじゃなくて、うだつが上がらない、3高の逆の3低だけど、嫁さんは良妻賢母で高学歴、高収入、ついでに美人だといいんだけど……

みたいな話。
高望みではあるのだけど、じつのところ、逆玉ともいえる夫婦はいるよね。
こんなブ男に、なんでこんな美人の奥さんがいるんだ?
というケースは、珍しくない。逆に、ダメ女なのにイケメンで高収入・高学歴、家事もできる夫がいることも。

条件が高望みかどうか、能力の優劣はあっても、建前としては男女平等なので、婚活に例えるということは、監督とチームが対等であると想定することになる。
その前提でいいのかい?

選手のレベルが高いドイツやスペインであれば、監督は選手を育てるというより、どう使うかの手腕が問われるから、ある意味、夫を操る妻的な存在として、「嫁」に例えることも可能ではある。
しかし、筆者自身が書いているように、2流か2流半のチームは、まず育て、教えて、選手としてチームとしてレベルを上げることから始めないといけない。

つまり、日本代表チームと監督の関係は、「夫婦」にはなりえない。
どちらかといえば、「先生と生徒」あるいは「親と子」の関係だろう。

未熟な生徒の成績を伸ばすには、優秀な先生が必要だ。生徒と同レベルの先生では、それ以上には伸びない。そういう意味でいえば、良き教師としての監督……つまり、一流の監督が必要だというのは、理にかなっている。
分をわきまえるのであれば、いい先生に学ぶのは、悪い選択ではない。

トルシエ監督やオシム監督は、教師的な監督としてうまく機能していた例だと思う。

代表監督として特別高額な報酬を出しているわけではないので、オファーしても快諾してくれる人は少ないのだろう。候補者をリストアップしているといっても、いわば「片思い」なわけで、告白してみたけれど振られてしまう可能性が高い。

それならば、「やりたい」といってくれている監督候補と、優先的に交渉した方が現実的な気がする。熱意のある監督であれば、結果的には良い方向に転ぶように思う。

選手やチームのレベルアップも必要なのだが、日本人監督のレベルアップの方が、もっと必要なのではないか。
W杯で戦える日本人監督といえば、今のところ岡田監督しかいない。その岡田監督も、2度のW杯で経験値を獲得した。しかも、監督になった経緯は、途中交代のリリーフとしての監督だった。最初から4年間を託された結果ではなかった。

アジアカップに敗れた日本代表が目指す道は…」でも書いたことだが、目先のことではなく、7年後の2022年くらいを想定して、日本人監督でW杯を戦うことを目指してもいいのではないか。

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