「対策は神経質なほど徹底」の勘違い

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 コロナに感染したからと、安易に謝罪するのは間違ってる。
 そういう風潮が、コロナ感染者に対する差別や偏見を生む。

「千と千尋」出演の朴ロ美がコロナ感染告白「対策は神経質なほど徹底」/芸能/デイリースポーツ online

朴は自身のSNSで事務所の報告文書を引用し「千と千尋の神隠しの公演を楽しみにされていた方々、関係各所の皆さん、本当にごめんなさい。」と謝罪。「感染対策は神経質なほど徹底していたつもりでしたが、新型コロナウィルスに感染しました。悔しくて悲しくて、やり切れない気持ちです。今はとにかく療養に努めます。本当に本当にごめんなさいー。」と無念の思いをつづった。

 謝罪は公演に出演できなくなったことに対する謝罪かもしれないが、感染したのは本人の責任じゃない。感染するかどうかは、確率の問題でもあって、本人の意思とは関係ない。

 「感染対策は神経質なほど徹底していたつもり」というが、どういう対策をしていたか。
 空気感染を前提とした対策をしていたかどうか。
 たぶん、一般的な対策とされる、「マスク、手洗い、密を避ける」くらいのことだろうと思う。外出・外食をせず、誰とも会わず、公演日まで隔離していた……わけではなかろう。他人と3メートル以内で接する機会はたくさんあったはずで、空気感染では感染機会は会った人数分だけ生じる。

 過去の事例では、街で感染者とすれ違っただけで感染した例や、建物の空調のダクトを通して別室にいた感染者から感染した例もある。空気感染するとは、そういうことだ。

 徹底というからには、空気感染を考慮した対策をしないと、意味がない。
 マスクをするにしても、普通のマスクではダメで、N95マスクを使用していたかどうか。

N95マスク

N95マスク

N95マスク

 稽古やリハーサルでは、多くの出演者やスタッフがいるだろうから、全員がN95マスクをしていなければ有効ではない。呼吸していれば、N95マスクでも3割はウイルスが通過して暴露してしまう。完全に防ぐことは不可能なので、あとは感染が成立するかどうかの確率問題となる。

 「感染してごめんなさい」というのは、いいかげんやめた方がいい。

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