STAP細胞問題で、理研は刑事告訴をしないことに決めたようだ。
STAP論文 理研「小保方晴子」元リーダーの刑事告訴見送る方針:イザ!
 まぁ、遅きに失した感があり、いまさら告訴しても、証拠は隠滅されているし、記録も不十分だから立件することは無理というのはわかる。
 しかし、民事で損害賠償請求はできるのではないか?
 研究費は税金なのだし、不正論文のために使われた資金は、可能な限り回収するのが理研のとる姿勢だと思うのだが?

 関連して、研究不正について対応していた理研の理事のインタビューが出ていた。
 短いインタビューではあるが、これを読んでいて、しっくりこない強烈な違和感を感じた。
 なんだろう? このつかみどころのない、ふわふわした別世界のような雰囲気は……

小保方氏もてはやされると思った 理研・川合理事(上):朝日新聞デジタル

STAP細胞をめぐる研究不正で理化学研究所の対応を主導した川合真紀理事が、朝日新聞のインタビューで語った主な内容は以下の通り。

(中略)

 色んな不正問題がいま、日本だけじゃなくて世界中にある。その中でどれくらいたちが悪いかと考えると、「どうなの?」って思うところもなきにしもあらずです。どういう基準で世の中の声が形成されていったのか。時系列を整理してみると、割とすっきり物事に対処していた気もする。その辺りを聞いていただいて、総括したいなという気持ちです。

(中略)

 小保方さんは直接話すとすごく魅力的な人です。言葉に迷いがないんです。ストレートに物事を伝えることができる。そういう持って生まれたものがある人ですね。普通に話していても「それはこうです」と、ピシッとよどみない文でパシッと締まるんです。ちゃんと考えて話す。言葉遣いも丁寧です。信頼感を感じるしゃべり方をする人です。小保方さんと発表の1週間前に会って、これはもてはやされるなと思いました。危ないという気がした。だからあんまり表に出さない方がよいんじゃないかと発言しています。

小保方氏の処分、大きな意味なし 理研・川合理事(下):朝日新聞デジタル

――最近も多くの不正論文がネットで指摘されている。どう感じているか。

 最初、ビックリしたんです。(野依良治)理事長がビックリしちゃって。「そんないい加減な論文が論文誌に載ってるのか」と。私も(自分の)300ぐらいある論文を確認した。

 ネットで調べる人は何が目的でやってるんだろう。世直し?、警告?(研究者には)十分に注意してやっていただくしかない。

 何度読んでも、つかみどころがない(^_^)b
 小保方氏は不思議ちゃんだったが、川合真紀理事もけっこう不思議ちゃんというイメージ。
 科学者、研究者というのは、俗世間から離れた世界で、非日常的なテーマに取り組んでいるから、俗世間の人間とは違う考え方、生き方をしているのだろうことはわかるが、この違和感は独特だね。
 言葉の意味はわかっても、その意図するところが読めない。おそらく、言葉の意味や捉え方そのものも違っているような気がする。だから、理解しにくいし、誤解してしまうのだろう。

「色んな不正問題がいま、日本だけじゃなくて世界中にある。その中でどれくらいたちが悪いかと考えると、「どうなの?」って思うところもなきにしもあらずです。」

 STAP論文不正が、たくさんある不正のひとつにすぎないから、特別なことではない……といっているように受け取れる。
 そんな程度の問題だったのか?
 それが科学界の日常だと?
 その感覚そのものが鈍化しているように思える。
 科学の世界では、100本の論文の中で、99本の不正があっても1つの正しい論文があればいいとでもいうのだろうか?
 そういう感覚だとしたら、取るに足りないことだとはいえる。

「小保方さんは直接話すとすごく魅力的な人です。言葉に迷いがないんです。ストレートに物事を伝えることができる。そういう持って生まれたものがある人ですね。」

 小保方氏のコミュニケーション能力が高いことと、研究者として有能であることとはイコールじゃないからね。そこを分けて評価できなかったのが、周りにいた人たちの不運でもあったのだろう。逆にいうと、研究者として有能だけど、口べたでプレゼン能力が低い人は、低く評価されることにもなってしまう。両方優れている方がいいわけだが、それを見極められる人が周りにいなかったということだね。
 コミュニケーション能力の高さは、嘘をつく能力が高いことにもつながる。詐欺師がうまく人をだますのは、巧みに言葉を操り、いかにも理路整然とした論法で話せるからだ。嘘を嘘と見抜かれないためには、嘘であるという自覚を排除して、自分自身をもだませるのが、巧妙な嘘になる。
 言い換えると、思い込みの強さ、自己暗示をかけるのがうまいということだ。それはメンタルの強さにもなる。
 ……にしても、「だまされた」という感覚がないらしいのが不思議。
 これだけの問題になり、あきらかに意図的な不正であったし、自殺者も出たのに、この軽さはなんなのだろう?
 だまされたときに、だました相手を好意的に評価するだろうか?
 私だったら、嫌悪感を抱く。
 川合氏は、なんと心の広い人だろうか。

「ネットで調べる人は何が目的でやってるんだろう。世直し?、警告?(研究者には)十分に注意してやっていただくしかない。」

 ネットで不正を探す人たちを批判しているように受け取れる。
 問題はそこじゃない(^_^)b
 インチキするなという、きわめて単純なことなんだ。
 ミスはだれにでもある。データ取得のミス、設定のミス、解釈のミス……等々、人間がやることだからミスはつきものだ。
 だが、論文不正はミスではなく、意図的な嘘の場合をいう。つまり、インチキ。
 嘘つきは泥棒の始まりじゃないが、嘘をつかなければいいだけの話。
 「嘘をつかないように、十分に注意してやる」……なんていうのは、その発想自体がおかしいだろ(^_^)

 科学ファンとしては、様々な分野で研究をしている科学者には敬意を持っている。
 性善説を信じたいが、必ずしも善人ばかりではないのも実態だ。
 医者が名医ばかりではないように、科学者も名科学者は一握りということだね。

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