アニメ・最終回の雑感(2)

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■ウィッチブレイド
 久しぶりに一つの物語としての、最終回らしい最終回だった。
 というのも、多くの作品で、納得のいかない終わり方だったり、途中でぶち切れ的に終わってしまう作品が多いからだ。テレビの放映枠との兼ね合いもあるのだろうが、不完全燃焼で終わってしまい、あとからDVDやOVA、あるいは映画で決着をつけるケースも少なくない。
 メディアがいろいろとあるため、そういう形での終わり方の選択肢があるのはわかるが、見ているものとしては、シリーズの中で完結して欲しいものだ。
 作品のイメージは、かつてのデビルマンやデビルマンレディーを思い浮かべてしまったが、そこにSFテイストを加えたのが本作といってもいいだろう。

 また、キャラクターが昨今は珍しい、大人たちで構成されていたのもよかった。特に女性キャラの色っぽさは群を抜いていて、魅力の一つだ。
 2006年秋の新番組でもそうなのだが、学園ものや10代の子供が主人公であることが多いので、キャラクターの幅が狭くなってしまう。いわゆる萌え系のキャラばかりでは、いささか食傷気味なのだ。

 ラストはこうなるしかない……という不可避な悲劇だが、それに至る物語がしっかりと描かれていたので、物語の中に希望を抱かせるものだった。
ウィッチブレイド Vol.1

■ハチミツとクローバー2
 パート2が作られる作品は、前作の人気の高さを物語っているわけだが、続編は前作を超えられるかどうかが難しい。
 このパート2は、パート1からの延長線にあるため、その後のキャラクターたちが描かれていた。「その後」というのは、気になるところなのだが、落としどころがどうなるのかで、前作の評価にも影響する。
 原作がある作品なので、原作にそっているのだろうが、パート2はパート1ほどの面白さは薄れてしまっていた。
 パート1では、黒田洋介氏の脚本が素晴らしく、毎度楽しみにしていた。共感できる泣かせる台詞が多く、静かな中にも緊張感のある雰囲気があった。
 だがパート2では、切なさや哀愁が薄れ、ハッピーエンドへと向かう期待と部分的な願望達成が展開されていった。そのことが逆に、緊張感を薄れさせることにもなった。
 それはキャラクターたちにとって、成長と救いではあるのだが、同時にパート1で共感したキャラクターたちとの別れでもあった。そうあって欲しい……と願う反面、離れていく彼らを寂しくも感じてしまう。
 パート1では、青春の階段を登っていく物語。パート2は登りつめた階段を下りていく物語だった。まぁ、それが現実の一面ではあるのだが……。
ハチミツとクローバーII Vol.2 (初回限定版)

■ガラスの艦隊
 テレビでの最終回……。
「え? これで終わりか?」というものだった。
 ガラスの艦隊オフィシャルサイトで確認したら、全24話のうち、23話で放映打ち切りになったということだった。なんでも局との放映スケジュールの調整がつかなかったとか。それでも22話までしか放映できなかったのが、23話までは可能になったようだ。
 最終回の制作は完了しているようなので、なんらかの形で公開するようだ。

 この物語は、「銀河英雄伝説」と「ベルサイユのばら」をミックスしたような世界観だった。
 宇宙船は出てくるが、中世的な風習と戦い方。宇宙なのに宇宙服は必要ないのはなぜなのか?……と、思っていたら、別の宇宙の話だった。
 物語中で重要なキーワードとなっていた「黒十字」が、世界を封じ込めているという。この黒十字、描かれている様子を見ると、どうやらブラックホールとその両極から発生するジェット(ブラックホール・ジェットまたは宇宙ジェットという)のようだが、そうした説明は一切なし。わかる人にはわかるという設定だ。
 これにより、かつて移住してきた祖先が、この閉じられた宇宙から出られなくなったという背景。

 放映の最終回となった23話では、いよいよ盛り上がってきて、結末は?……と期待したところで、ラストを見られなかった。
 こういう終わり方は勘弁して欲しいものだ。
ガラスの艦隊 第1艦 通常版

 さて、秋の新番組が始まっている。
 ひととおりチェックしているが、40本ほどある。
 1話だけ見て、続けて見るものとそうでないものを取捨選択している。
 それについても書きたいと思っているが、この秋は小粒な作品が多く、期待値の大きなものが少ないという印象。
 傾向として、学園ものというか、萌え系キャラの作品が多くなっている。こんなに同傾向作品が多いと、作り手側の「売り」の意図が見え見えで、いささか姑息である。

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