内情の醜さは社是から?

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 コンビニはなにかと重宝する存在になっているが、コンビニのオーナーにとっては、必ずしもいいことばかりではないようだ。

セブン‐イレブン批判本を「封殺」するトーハン(月刊FACTA)

セブン本部が仕入れ先から送付される請求書などを秘匿し、原価情報を独占してきたのは業界周知の事実のようだ。この常識では考えられない手法が許されたのは、フランチャイズ契約で本部が商品代の支払いを代行する仕組みになっていたから。本部に原価情報を独占されたオーナーたちは「仕入れ代金やリベートのピンハネ隠しだ」として訴えていたのである。この東京高裁への差し戻しは3月頃に結審の見込み。もし、オーナー側の主張が通れば「セブン-イレブン全店で年間1千億円(推定)を超える『ピンハネ』が表面化する可能性がある」(前出の司法記者)。さらに、オーナーによる過去に遡った代金返還請求訴訟が続出するだろう。

 いわゆる「業界」というのが、どんな業種にもあるわけだが、内情はどこも似たり寄ったりではないだろうか?
 正直に、誠実に、法令遵守を徹底した事業をしている会社の方が少ない気がする。
 人間関係でも上下関係や主従関係があるように、会社間や労使間でも同様の関係がある。表向きは対等であるかのように装っても、力関係で上にある者が、下の者に無理なことを要求したり押しつけたりする。親企業と下請け企業の関係などは、その典型だ。
 そういう意味では、社会は主従関係で成り立っている。平等ではないのだ。
 子どもたち同士のイジメ問題も、力関係のアンバランスに起因するから、大人社会の鏡として発生するともいえる。

 さて、セブンイレブンのサイトには、以下のような理念が掲げられている。

企業理念 | セブン-イレブン・ジャパン

「社是」
私たちは、お客様に信頼される誠実な企業でありたい。
私たちは、株主、お取引先、地域社会に信頼される誠実な企業でありたい。
私たちは、社員に信頼される誠実な企業でありたい。

 この中には「オーナー」は入っていないから、オーナーに対しては誠実である必要も、信頼される必要もない……ということなのだろう。
 つまり、前述の記事の内容は、社是に則っているともいえる。

 コンプライアンスやCSRを偉そうに掲げる企業が多くなったが、それは表向きの体面やパフォーマンスにすぎない。都合が悪くなれば、無慈悲に解雇するし、環境問題だって二の次になる。
 セブンイレブンも儲けるためなら手段は選ばない……ということなのだろう。社是には反していないのだから、という言い訳もできるしね。

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