新しいサービスが始まっても、やがては終了する日が来るものだが、短命だったサービスのひとつ。
スマートロック「246Padlock」が終了するようだ。
ASCII.jp:スマートロック「246Padlock」がサービス終了 -その後は開錠不可
電通ブルーは4月27日、スマートロック「246Padlock」のサービスを6月末をもってサービス終了すると発表した。
246Padlockは電通のスタートアップが開発した商品で、スマホとBluetoothで通信し、施錠・開錠を行なう南京錠型デバイス。2015年3月から正式販売を行なっていた。
正式サービスを始めて、わずか1年3か月で終了。
結局、なにがしたかったのかわからなかったサービスだった。
昔の記事を掘り起こすと、意気込みだけは伝わってくるのだが……
ASCII.jp:電通のスタートアップが作ったのはスマホで開く南京錠 (1/6)
「246 Padlock」という製品を知っているだろうか。スマホがカギになるスマートロックサービスのひとつとして、電通ブルーが作った南京錠型のデバイスだ。スマホアプリを経由して施錠・解錠ができるので、物理キーを必要としない。セキュリティーは暗号化通信などの技術を使うことで、品質を保っているという。価格は1万1065円(税別にすると1万246円と、製品名にちなんだ価格付けになっている)。
(中略)
電通ブルーが進めている「246」という、スマートロックプロジェクト最初のプロダクト製品です。スマートロックの世界観って、エンドユーザーに届きにくいんですね。スマホで開けられる、鍵のシェアができる、開けた履歴も見られる。そういうのっていいなあと思いつつも、いざ自分の家に取り付けるかというと、僕は怖くて取り付けられないです。
(中略)
リアルな世界の権利を、デジタルで管理するというのが246ですね。今は場所ごとやプロダクトごとで違う鍵を使わないといけなくて、「どの鍵だっけ?」ということも起こる。だから自分たちでプロダクトを作る、あるいは自分たちが作ったネットワーク上に他社さんが乗っかってプロダクトを作るということを将来していきます。つまり、鍵のすべてを作っていくんです。
―― そして鍵のすべてをデジタルに置き換えていくわけですね。
う~む、やっぱりよくわからないサービスだった(^_^)。
開発した当事者が「僕は怖くて取り付けられない」といってるのに、それが普及するとは思えない。
鍵をデジタル化して、スマホなどで一元管理するという方向性はわかるけど、それはリスクでもあって、スマホを紛失すると、すべての鍵が開けられなくなってしまう。物理的な鍵でも同様で、たくさんの鍵をキーホルダーでひとつにまとめていると、キーホルダーごと紛失すると、全部がアウトになってしまう。リスク分散という意味でも、鍵は分けておいた方がいいこともある。
アナログとデジタルを融合する鍵としては、指紋・掌紋認証とか虹彩認証とか顔認証が実用的になってきているので、自分の体の一部が鍵になる時代がいずれはやってくるだろう。
そっちの方が鍵としては有効だし、物理的な鍵を持ち歩かなくてもいいし紛失することもない。
鍵をシェアするという発想や必然性は乏しい気がする。
顔認証鍵であれば、解除を有効とする顔を人数分登録しておけばいいわけだからね。それなら、スマホを持っていなくてもいい。
まぁ、スタートアップ事業は、行けるかどうかはやってみないとわからない……という、実験的な意味もあるから、やってみて「やっぱりだめだった」でもいいんだと思う。
ただ、この製品を買った人は、損な買い物だっただろうけどね。
変なサービスの黒歴史には残ると思う(^_^)。