反日運動の行方

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 竹島、尖閣諸島の問題で、かの国では反日運動が拡大している。
 日本を仮想敵国として、反日教育を国是としているかの国では、日本はなんでも攻撃の対象だ。それに対して、日本の政治家達は歯切れが悪い。叩かれっぱなしだ。

2012年の中国における反日活動

2012年の中国における反日活動/Wikipediaより

 有効な対抗手段を出せなければ、反日運動はどんどんエスカレートする。
 遠からず、日本人が標的とされ、犠牲者が出るのは時間の問題のような気がする。しかし、政治家達の危機感は薄いようだ。

Business Media 誠:窪田順生の時事日想:また尖閣諸島にやって来る? 10月に人民解放軍 (1/3)

 島根県の竹島では、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が上陸するだけに飽き足らず、直筆の石碑を建てて閣僚を呼んで除幕式をおこなった。

 沖縄県の尖閣諸島では、中国の活動家がテレビクルーまで引きつれて上陸。海上保安庁の巡視船に投石していたにもかかわらず、公務執行妨害には目をつぶってもらって強制送還され、本国ではちょっとしたヒーロー扱いされている。

 こういう騒動が起きると、日本のメディアはバカのひとつ覚えのように「冷静に」とか「これ以上、溝を深めてはいけない」とか呼びかける。

 過去に戦争を煽ったトラウマで、日本人が中国や韓国に対して怒りの声をあげる大衆をなだめるのが、「インテリである我々の役目」と本気で考えているからだ。

 そういうおめでたい人たちは、「情報戦」を仕掛けようという国からすると大変ありがたい。

 かの国は日本が大嫌い。世論調査でも、そのような結果があった。
 日本でも、嫌韓、嫌中の風潮がある。
 お互いに嫌ってるんだから、仲良くはできないだろう。溝は埋まらない。たぶん、100年後になっても、かの国は反日思想を続けていると思う。こうなると、ユダヤとアラブが数千年にわたって対立しているのと同じような状況だ。

 前にも書いているが、反日を煽るのは、かの国の国民の怒りの矛先を日本に向けさせることで、かの国の国内事情から目をそらさせることにある。
 ナショナリズムを煽ることで人気を取り、政権を維持する。あるいは国内の不満のガス抜きをする。日本は餌にされているわけだ。

 日本が実力行使できないことは見透かされているから、なんでもやりたい放題だ。過去の戦争責任を毎度のように問われるが、どんな形で謝罪しようが賠償しようが、その要求が治まることはないだろう。まだ足りない、もっと謝罪しろ、もっと金を出せ……と、際限なく続くことは明白。
 私も含めて、戦後生まれ世代が多くなった現在、なにかにつけて戦争責任をとがめられるのは理不尽な気がする。親あるいは祖父の犯した罪を、子どもあるいは孫が償わせられているようなものだからだ。

 日本が出せる対抗手段は限られているが、手っ取り早くできることは、かの国に在留している日本人に対して「退避勧告」を出すこと、それと「渡航自粛要請」をすることだろう。
 実際、危険な状態にはなっているのだし、日本人が犠牲にならないように帰国させることだ。
 「渡航禁止」は法律上できないことになっているので、勧告や要請しかできない。
 少なくとも、実害の及ぶ日本人がかの国にいないのであれば、反日運動はやりたいだけやればいい。暴動が起きても、日本には直接の影響はない。

 暴動はエスカレートすると、日本に対してだけでなく、かの国の政府にも向けられるようになる。不満のはけ口として反日を利用しているのだろうし、根底には貧富の差などの格差がある。むしろ、そうなってくれた方がいいかもしれない。

 ただ、日本も覚悟が必要だ。
 食料の大半は中国から輸入しているため、日本向けの輸出を止められたら食糧難になる。かの国に進出している企業は、撤退するなどのリスクを負う。
 そうした代償を覚悟の上で、かの国とは渡りあう必要がある。

 領土問題は、話し合いでは絶対に解決しない。
 力づくで奪い取るか、どちらかが放棄するか、どっちかしかない。

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