【レビュー】日本沈没2020

LINEで送る
Pocket

7月9日よりNetflixで配信が始まった、『日本沈没2020』を見終えた。

『日本沈没2020』

全10話を、昨晩から今日にかけて、一気に見た。
ネットの評判は「エグい」というのが多い。
私もそう思う。

情け容赦なく、主要キャラクターが死んでいく。
リアルは情けなどないものだが、物語の中で情けがないと、見ているものが救われない。
「うっ」と何度、息をのんだことか……。
それでも、主人公の姉弟が生き残ったのは、情けなんだろうね。

災害とは残酷なものだが、フィクションの中でここまで残酷な作品は珍しい。
本作は、見るのが少々辛くなる。
それでも、最後まで見届けたいと思わせる作品になっている。

いま世間では新型コロナという災害に見舞われているわけだが、日本が沈没しないまでも、首都直下地震は近いうちに発生することは、ほぼ確定済み。
それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。

本作を見ながら、2011年の東日本大震災を思い出した。
東京の実害は軽微だったものの、あのときの混乱ぶりはトラウマだ。帰宅するのに、徒歩で4時間あまりかかった。
今でもときどき夢に見る。
焼け野原になった街の中を、妻と猫たちを探して彷徨っている夢。
歩いても、歩いても、妻と猫たちは見つからず、途方に暮れる。
いつか、それが現実になるかもしれない。

本作の家族は、幸いにも合流することができて、それから生き残るためのサバイバルが始まる。
現実にそういう事態になったとき、サバイバルは容易くない。
彼らは幸運でもあったが、ひとり、またひとりと容赦なく命を落とす。

監督は残酷だな。
それがリアルだとしても、残酷だよ。
見ているのが辛い。

後味の悪い作品だ。
ただし、これは褒め言葉だ。
ここまで納豆のように尾を引く作品は初めてだ。
ちょっと精神的に立ち直るのに、時間がかかりそう……。

というわけで、いま、とても気分が落ち込んでいる。

(Visited 85 times, 1 visits today)