このところ労働問題の記事をよく見かける。
 それだけ根が深く、蔓延っているからだろう。
 雇用者側の問題、労働者側の問題と、どちらでもなにがしか問題が発生している。それは日本の会社が多かれ少なかれ歪んだ状況になっているためだ。
 以下の記事は、私の業界にも関係ある話。
無法な使用者には法で立ち向かえ~『人が壊れてゆく職場』 笹山尚人著(評:荻野進介):NBonline(日経ビジネス オンライン)

 本書で紹介される、あるデザイン会社でのいじめ、パワハラはすさまじい。いや、それ以前に、連日にわたる徹夜、長時間労働が常態化し、会社は社員一人ひとりに職場で寝泊りするための寝袋を支給していた。残業代はもちろんゼロである。しかも、社員は会社が指定した住居に相部屋で住まわされ、おまけに賭け麻雀にも強制的に参加させられていた。

 ここまでひどいのは珍しいと思うが、アンダーラインを引いたところは、どこのデザイン会社でも同様である。
 むしろ、長時間労働なし、残業代全額支給というデザイン会社があったら教えてもらいたいくらいだ。

 こうした状況は、業界の構造自体に問題がある。
 大手広告代理店などが頂点となって、下請け、孫請け、ひ孫請けと仕事が流されていく。その過程で、中間マージンがピンハネされ、下に行くほど安い制作費で仕事を請けることになる。
 しかも、納期は短く、人数をかけても長時間労働にならざるをえない。だからといって、残業代を出せるほどの制作費ではない。残業したからといって、元請けにその分を請求できるはずもなく、請け負った金額以上のものは出てこない。仕事を断れば、以後の仕事も来なくなり、安くても納期が短くても請けざるをえない……という悪循環。

 派遣労働やテレビ局のねつ造問題も、構造的には同じことだ。
 下請け、末端の労働者は、文句をいえない弱い立場だ。
 労基法がある……とはいうものの、守らない経営者が多いことも事実。かといって、訴えると仕事を失ってしまう恐れがある。
 我慢している労働者は、板挟みになってしまうと思うのだ。

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