Huluオリジナルの近未来ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』を、ようやくシーズン5までの全話を見た。
各種賞を受賞して、話題になっているのは知っていたが、Huluは契約していなかったので、見ていなかった。Huluの無料期間中になんとか見終えられた。
予想以上に残酷物語だったので、見続けるのが辛かった。
これほどの「悪」を描くドラマは、ほかにはない。
キリスト教の原理主義ともいえる宗教的価値観がベースになった世界で、女性たちが虐げられる展開。反吐が出るほどの怒りを覚える仕打ちに耐える、主人公のジューンが悲惨すぎる。
ディストピアとしての近未来のアメリカなのだが、キリスト教をここまで「悪」に仕立てているのに驚く。制作者の多くがクリスチャンだろうし、聖書(といっても、原典はいろいろ)の一節を曲解した描写はエグイ。
ジューンはギレアドのいう神を否定しつつも、自らも神に幸運を祈るという、自己矛盾を抱えている。その矛盾が、作品としてのひとつのテーマでもあるのだろう。
余談だが、宗教は同じ神を信じる者たちは救うが、異教徒は悪として迫害するんだよね。それが過去の歴史でもある。
世界の四大宗教といわれる宗教は、どれも基本的には同じ。カルト宗教が問題視されるが、四大宗教でも大差ない。信徒が多いほど、影響力も大きくなるから、数は力なりになっているだけ。
ジューンは何度も脱出を試みるが、最後の最後で失敗して、1つのシーズンが終わる。
救われない展開に、もどかしさがつのる。
ようやく脱出できたのは、シーズン4の第6話だった。
ちなみに、シーズン4からは、ジューンを演じるエリザベス・モスが、ドラマの監督を務めている回がある。マルチな才能がある女性のようだ。
ドラマは最終のシーズン6への更新が決定している。
シーズン5が終わった時点で、シーズン6の公開は2023年後半または 2024年初頭といわれていたが、エンタメ業界のストの影響があったと思われるので、2024年中とみるのが妥当だろう。
シーズン6が公開されたら、Huluを再契約するとしよう。