古い動画(2018年)なのだが、Twitterで度々流れてきていた。
ブラジルでの事件で、強盗犯が銃を向けて女性や子供たちに迫ってくる。女性の中のひとりが、バッグから銃を出して応戦し、犯人を撃って倒す……という動画。
Twitterに流れてきた動画は荒くなっていたのだが、元ネタと思われるより鮮明な動画があった。
いろいろとコメントがついていたが、その中に「テーザー銃では?」というのがあった。
しかし、それは違っている。
テーザー銃は特徴的なシルエットと色になっているので、これとは違う。
使用している銃が実銃であることは、薬莢が飛んでいることで確認できた。荒い動画では見えなかったものだ。
▼飛んでいる薬莢。○で囲んでいる部分。
この女性は非番の警察官だそうだ。
使用している銃は、ブラジルの警察ということで、おそらくトーラス PT24/7ではないかと思う。銃のシルエットからも、それがうかがえる。
▼銃のシルエット
2004年にブラジルのタウルス社が開発したポリマーフレーム装備の軍用・警察用向けの大型自動拳銃 トーラス PT24/7
2004年にブラジルのタウルス社が開発したポリマーフレーム装備の軍用・警察用向けの大型自動拳銃。グロック 17に似た変則ダブルアクションのストライカータイプの撃発メカニズムが組み込まれている。
PT24/7 OSSは2005年よりU.S.SOCOM(アメリカ特殊作戦軍)が行った、M9の後継拳銃を選定するJCPP(Joint Combat Pistol Program)トライアルのために同社が開発した。
いくつかのバリエーションがあるようで、銃身の短いPT24/7 PRO DSで、弾は9mm×19かと思う。
また、「血が出てない」というコメントもあったが、胸や腹に当たったとき、9mm弾では映画のようにドバッと血が出ることはあまりない。映画のそれは派手に見せる演出だ。
出血はしているはずだが、服を着ているから見えていないだけ。黒い服なので、余計に見えにくい。
それについての解説は以下が詳しい。
【銃弾の威力】銃弾が人体に当たると…【銃創】 – Man On a Mission
日本では銃器による犯罪も少なく、銃創を見たことがある人はほとんどいません。そのため、銃弾が人体に命中した場合は弾丸直径ほどの小さな孔が穿たれる程度で、脳や心臓などの急所に当たれば死亡するが手足に銃弾を受けても死亡しないと思っている人が多いようです。 上記は、拳銃弾についてはある程度当てはまり、例えば大腿部に命中したとして、弾丸は貫通して身体表面に弾丸直径よりやや大きい孔が空くものの、骨には亀裂骨折が生じる程度でほとんど致命傷とはなりません。
(中略)
人間は銃で撃たれた場合、(当たりどころにもよりますが)その場で崩れ落ちるか、前に向かって倒れこみます。
フィクションで見られるように、後ろに吹っ飛んだりすることはありませんし、ついでに派手に血しぶきをあげたりもしません。
人体に当たった弾丸エネルギーは衝撃波となって体内を伝搬、内臓や血管を破壊します。身体全体を後方に動かすような働き方はしないのです。
別の動画で、香港での反政府デモのときに警官に撃たれる若者の動画があったが、その撃たれた人は倒れはしたが派手な出血は見られなかった。ただし、出血は続くので時間が経過するとともに失血死する可能性が出てくる。
ちなみに、ブラジルの事件で撃たれた犯人は、その後、病院で死亡したそうだ。