毎日報告される新規感染者数の数字。
一時は1000人超えになっていたのが、1000人以下になってきて減っているように思える。
しかし、これは減っているように見える錯覚なんだ。
新型コロナ 東京都で新たに766人の感染確認 先週の水曜日より203人減
東京都で5月19日、新たに766人が新型コロナウイルスに感染していることがわかりました。
都内で19日、新たに感染が確認されたのは766人で、先週の水曜日から203人減りました。
直近7日間の新規感染者数の平均は、前の週と比べて83.3%と減少傾向が続いています。年代別では、20代が210人、30代が155人、40代が113人、50代が98人、65歳以上が99人などとなっています。また、重症者は前日から8人減って73人でした。
どの報道でも同様なのだが、検査数を同時に発表しないと、感染者数の数字の意味が違ってきてしまう。
つまり、検査数に対する陽性率が重要。
検査数は少し遅れて発表されている。
検査実施件数 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
5月19日時点での最新情報は、5月17日の検査数で、11,976件。
検査数の把握と検査結果の集計が出るのに、多少のタイムラグがあると思われるが、5月17日の東京の新規感染者数は419人。翌5月18日が、732人。
同日で計算すると、陽性率は約3.5%。
集計が翌日になっているとすると、陽性率は約8.1%。
過去に遡って、検査数がほぼ同じくらいの日を探すと、3月15日というのがあった。
▼過去の検査数の推移グラフ
これは過去グラフをつなぎ合わせて作ったもの。
3月15日の検査数は、11,568件。
この日の新規感染者数は、175人。翌日の3月16日で、300人。
陽性率は、3月15日が約1.5%、3月16日で約2.6%、となる。
つまり、少ない方で見ても2.3倍、多い方で見ると3.1倍も多いことになる。
検査数が同じくらいで、このくらいの差がある。
新規感染者数が500〜700人くらいになって、減っているように感じるが、じつは陽性率は上がっている。
1000人超えという数字に慣れてしまって、766人が少ないと錯覚してしまっているんだ。
ここ最近の検査数は、第三波といわれる今年の1月〜2月に比べると、明らかに少なくなっている。(上のグラフを参照)
1日の検査数が1万件を超えることは少なく、1万5千件に届かない日も多い。
単純に比較すると、1〜2月は現在の1.5倍くらい検査していた。
検査数が増えれば陽性者数も増えるから、今日の感染者数の766人を1.5倍すると、1149人になる。
これが隠れた実態かもしれない。
さて、オリンピックを開催する条件として、毎日PCR検査をするといっている。
選手および関係者を合わせると約9万人。もっと少なくするとの発言もあるようだが、それでも3〜4万人にはなるのだろう。
現状、東京都の検査数はピークで1万8千件くらいなので、3〜4万件の検査を毎日こなす能力はないと思われる。
物理的に不可能な条件を、どうクリアするのだろか?
陽性率は減少傾向にある(A)。ただし、その値は(3月に比べれば)未だ高い(B)。ということですね。
陽性率は https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/cards/positive-rate/ で見られます。これを見る限りでは、陽性率も下がっているように思いますが…..
そのグラフをよく見てください。
3月15日の陽性率は3.4%。
5月17日の陽性率は6%。
検査数は同程度でも、陽性率は倍近いです。