ロボット従業員の半数を“リストラ”したホテル


人間の代わりにロボットを使う試みは、接客業ではかなり難しいようだ。
Pepperに代表されるコミュニケーション・ロボットは、会話が成立する場合と、とんちんかんな返答をする場合があり、おしゃべりするオウムレベルだったりする。

なぜそうなるかといえば、言葉を理解し、相手の意図を想像できないからだ。
コミュニケーションでは「想像力」が重要で、意図をくみ取るとは質問に対する返答が正しいことではなく、相手の気持ちを察することだからだ。

現状のAIには、それができない。

「変なホテル」、ロボット従業員の半数を“リストラ” – CNET Japan

 変なホテルがロボットを採用したのは2015年、「世界で最も効率的なホテル」を目指してのことだった。しかし、それから4年の間に、243体ほどいたロボットは目新しいというより、むしろ煩わしいものになってしまったようだ。そのため、変なホテルはロボットの半数を「解雇」したと、The Wall Street Journal(WSJ)は報じている。

ある宿泊客は、すべての客室に置かれていた仮想アシスタントロボット「ちゅーりー」に、就寝中何度も起こされたと不満を述べている。ちゅーりーが客のいびきに反応して「申し訳ありませんが、聞き取れません。ご要望をもう一度おっしゃってください」と話し出したからだ。また別の宿泊客は、ちゅーりーが自分たちの会話に割って入るとの不満をTripAdvisorのレビュー欄に残している。結局はすべての「ちゅーりー」ロボットが客室から撤去されることになった。

正しい質問をしないと正しい答が返ってこないのが、この手のロボット。
質問や要求が曖昧だと、適切な返答ができない。
寝ているときは会話はしないという、単純なことをインプットしてなかったともいえるが、イビキと言葉の区別がつかないのでは、そもそも仕様として問題があったようにも思う。

ディープラーニングで学習を積み重ねていけば、問題を解決できるかというと、ある程度までは解決できるだろうが、それはたくさんの質問に対するたくさんの解答例を用意できるということにすぎない。

ある場面においては、それで十分なこともあるだろう。
しかし、コミュニケーションは正解を答えることだけではない。

人がなにかを要求するとき、曖昧な表現が多い。
たとえば、ある料理で……

「ちょっと塩気が足りない」
「いまいち旨みがない」
「もっとこってりしたのがいい」

というような要求があったとき、「ちょっと」「いまいち」「もっと」という要求に、AIはどういう対処をすればいいのか数値化できない。

人間の料理人であれば、その言葉のニュアンスや表情から、塩加減を調整し、出汁の取り方を変え、こってり感を出すために食材を加えたりする。
そのノウハウをAIにインプットすればいいという話ではあるが、mg単位のレシピを用意すれば解決できるかというと、それほど単純でもないだろう。

実験としては面白いのだが、現在のロボットの限界を示してもいる。
特定の分野で特定の作業に特化したロボットなら、有効な使い方はあると思うが、なんでもできる汎用ロボットは、まだまだ未来の話。

AIブーム、ロボットブームは、一過性のブームで終わりそうな気配。

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