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迷い猫「ラピ」を保護してから、1ヶ月あまりが過ぎた。

その後もチラシをまいたりしているが、いまだに飼い主は現れていない。予想外に遠くから逃げてきたのか、あるいは飼い主が猫を放棄したのかもしれない。

ラピはかなり過保護な猫だったようだ。

第一に、猫嫌い(笑)。うちにはすでに7匹の猫がいたわけだが、ほかの猫たちと遭遇すると「ウーウー」と唸って寄せつけないし、手の届く距離まで接近するとパンチを繰りだして威嚇する。

そのくせ、人間にはベッタリ甘える。そもそも私たちに拾われたように、人間なら誰でもいいらしい(笑)。

また食べものもかなり偏っていたらしく、猫餌にはあまり興味を示さなかったが、人間の食べものにはおおいに興味を示していた。おそらく元の飼い主は、人間の食べものを分けて与えていたのだろう。しかし、人間の食べものは塩分や味つけが濃く、香辛料なども含まれているため、猫の健康のためには好ましくないのだ。

そんなラピだったが、1ヶ月経って、徐々に猫としてのリハビリが進んでいる(笑)。当初はまったく寄せつけなかった他の猫に対して、少しずつではあるが接近する距離が縮まっている。クリやナナが、ラピに対して「遊ぼう」と誘っているのだ。なかなか一緒に遊ぶほどには至っていないのだが(笑)。

食べものも、猫のご飯をちゃんと食べるようになった。遊び方にしても、当初は猫じゃらしなどにはまったく反応しなかったのだが、こちらも猫らしい遊び方を学びつつある。

とはいえ、猫同士で毛づくろいをするほどには、まだ猫としてのコミュニケーションができない。それができるようになるには、さらに数ヶ月かかるかもしれない。

我が家の猫たちには、我が家なりのルールがある。可愛がりはするが、けっして甘やかさないし、叱るときには叱る。猫は群れを作る動物ではないものの、我が家ではゆるやかな群れとなっているのだ。人間と猫の間に主従関係があるように、猫の間にも順位関係がある。ただ、猫の順位関係は曖昧で、状況に応じて変動するものである。

このままラピが我が家に仲間入りするにしても、これから元の飼い主が現れるにしても、もう以前のラピとは違っている。元いた家に戻ることが、ラピにとって幸せなのかどうかはわからない。

しかし、ラピをそれなりに可愛がっていたはずの飼い主にとっては、戻ってきてほしいと願っていると思うのだが……。

捜しているはずの飼い主は、どこにいるのだろう?

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