最近の球児は野球は二の次らしい

中学生の野球大会で、女性タレントに対する集団痴漢が発生したというニュース。
Yahoo!ニュースのトップにも上がってきて、この問題はさらに広がりそうな気配。

稲村亜美さんに数千人の中学球児殺到 「紛れもなく痴漢」など怒りの声続々、運営平謝り – 弁護士ドットコム

「神スイング」で知られるタレントの稲村亜美さん(22)が3月10日、神宮球場であった野球大会の始球式で、中学生球児らに「襲われる」ハプニングがあった。ツイッターでは「どう考えても集団暴行事件」「紛れもなく痴漢」など怒りの声が上がっている。

(中略)

一方、ツイッターでは、球児本人と見られるアカウントが悪びれる風もなく、武勇伝のごとく語っている投稿が拡散されるなど、怒りが拡大中。主催者や指導者らの目前で起きた事件だけに、大人の管理責任を問う声も上がっている。

中学野球開幕式で選手数千人が稲村亜美に駆け寄り密着→炎上 協会は謝罪の上「反省している」とコメント -ねとらぼ-

 ところが一部の選手らがSNS上で「あの状況なら何をしても分からない」「やらかした」「触った」などと悪びれることなく自慢していたことも発覚。さらに批判が加速しています。

(中略)

こうした事態について協会は処分等も含めて検討するとした上で、「誰と誰が悪いのかと個別に特定することは難しいと考えています。今後は『今回起こったことは良くないこと』だときちんと理解してもらうために、各チームを通して文章を通達する予定です」とのこと。

このとき様子を録った動画は、いくつかアップされているが、削除されたものもあるようだ。私が確認しただけで、3つの異なる撮影者によるものがあった。おそらく、撮影そのものはもっと多くされていたはずだが、動画サイトにアップしたのが数例ということだろう。

▼最初はこんな感じ。……ていうか、こんな形の始球式なんて、ありなのか?

▼どこから湧いてきたのか、整列していた選手以外の中学生が集まってくる。この段階で、すでに無秩序になっている。

▼中学生たちはにじりよっていき、取り囲む輪が、狭まってくる……。

▼普通、始球式というと1球投げて終わりだと思うのだが、なぜか3球投げていた。
その間に、輪はさらに狭まる。

▼もはや、ぐちゃぐちゃ。中学生は暴徒化寸前。

▼さらに接近。彼女に逃げ場なし。

▼完全に包囲され、接触している模様。

▼押しくらまんじゅう状態。ひとりの女性に対して、これはありえない。

▼手前の黒服の大人たちは、ただ呆然と見ているだけ。

▼ホームベース側から録られた、別の動画。

この大会に集まった中学生諸君は、なにしにきたのかな?
野球をしにきたんじゃないのか?
一部のチームというより、ほぼすべてのチームがこの行動に参加しているからね。

動画の中には、選手自身が録ったと思われる動画もアップされていた。そもそも開会式に整列している選手が、スマホを持っていること自体が問題。
ただのイベントか、お祭り感覚なんだろうな。
地区大会なんて、一部の強豪校を除いて、それほど部活に真剣でもないものだ。やらされているか、遊びの延長でしかない。真剣さがないから、こういうバカ騒ぎに夢中になる。

昔の部活は、しきたりというか規律が厳しくて、ちょっとでも逸脱すると、怒鳴られたり、しごかれたりしたものだ。そういうスポ根が問題になったりもするが、自由すぎて規律を守らないのも問題だ。

文書で注意をして、稲村さんへの謝罪はしているとのことで、それで問題を終わらせるようだけど、そんな甘いことでいいんだろうか?
中学生だから?
もっと年齢が上の大学生だったら、暴行罪や痴漢が適用されるかもしれない。

連帯責任というのはケースバイケースではあるが、この事件の場合、映像を見てわかるように、ほぼ全員参加の騒乱だ。
注意だけでなく、出場資格停止などのペナルティは必要な気がする。
甘い処分で済ませると、反省などしないのも中学生である。自分が中学生だった頃を、思い出してみるといい。罰が軽ければ「ラッキー」と思ったはずだ。それで、このくらいならやっても平気と勘違いしてしまうのだ。

このニュースが動画とともに海外に広がると、「日本の中学生は……」というレッテルを貼られてしまうかもしれない。これは恥ずかしいことだ。
そのことを危惧する。

諌山 裕