優勝を目標にしていたアジア杯だったが、ベスト8で敗退した。
グループリーグのときから、チームとしてちぐはぐでミスが多く、毎試合で失点していた。
森保ジャパンはカタール・ワールドカップ(2022/11/23〜)からドイツと再戦(2023/9/9)したヨーロッパ遠征、そして国内での親善試合(〜2023/10/17)のころがピークだったようだ。この時期を絶頂期としよう。
それ以降は、FIFAランクでかなり格下の相手と対戦して、勝ってはいたが楽に勝てる相手でサッカーの質が下がっていたように思う。
選手の若返りを図っていて、ベテランだった吉田選手や長友選手らを招集しなくなった。それは必要な変化ではあるが、チームの柱を抜いてしまうことにもなった。
今回の招集メンバーを見ると、チームの柱になる選手がいないと感じる。元キャプテンの長谷部選手や吉田選手のような、チームを牽引する人がいない。現在は遠藤航選手がキャプテンとなっているが、存在感が薄い。キャプテンは、チームのスポークスマン的存在でもあるが、遠藤選手の発言はあまり表に出てきていない。
チームとしてゆるくまとまっているものの、1本筋の通った結束力は弱いように思う。
そんなチームの現状を吐露しているような発言が、守田選手から出ていた。
苦悩を吐露した守田英正の悲痛な叫び「考えすぎてパンク」「もっといろいろ提示してほしい」 | ゲキサカ
[2.3 アジア杯準々決勝 日本 1-2 イラン エデュケーション]「どうすれば良かったのかはハッキリ分からない。考えすぎてパンクというか、もっとアドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとかが欲しい。チームとしての徹底度が足りなくて試合展開を握られるということがゼロじゃないし、この大会でも少なからずあった。ボランチとして、プレイヤーとして、チームのために考えないといけないし、その思考は止めないけど、そこの決定権が僕にある必要はないのかなと思う。あくまで僕は最後の微調整だけでいいのかなと。担っているものを重荷には感じないけど、もっと欲しい」
ピッチ上の選手だけで対応するのにも限界がある。劣勢の展開の中でもっとベンチからの明確な指示があっても良かったのではないか。守田はハーフタイムについても「僕が決めたシーンとか、ラインコントロールとかの映像を見て、こうしよう、ああしようという話はあったけど、深いところまではいけなかった。前半、嫌な感じで逃げ切ったような感じでロッカーに戻ったけど、後半、フレッシュな感じでピッチに出れたかというとそうではなかった」という。
間接的な言い回しだが、監督やコーチの采配についての批判というか不満だろう。
森保監督は、試合後に選手交代に問題があったと認めていたが、イランに対して有効な脅威となっていた久保選手と前田選手を下げてしまう悪手を出してしまった。あれでイランはずいぶん楽になったはずだ。
同点にされてからイランが反撃に転じ、ピッチ上の選手はパニックになっていたが、一番パニックになっていたのは監督だろう。監督が冷静さを失うと、もはや打つ手は有効に機能しなくなる。采配は一か八かの賭けではあるが、その賭けはことごとく外れる。
アジアで勝てなければ、世界でも勝てない。
W杯アジア予選は、よほどのことがない限りクリアするだろうが、W杯本番でどれだけ躍進できるかは不透明だし、疑問符がつく。
森保監督の限界が見えた気がする。人は劇的に変化・成長することはないので、森保監督のやり方はあまり変わらないと思う。
つまり、このへんが森保ジャパンの到達点といえるかもしれない。
絶頂期から数歩後退してしまった印象だ。
変化を期待するとすれば、選手の顔ぶれの違いによる変化だ。その組み合わせしだいで、チーム力が上がったり下がったりする。
監督に期待はできないので、これからA代表に入ってくるであろう、若手の台頭に期待するしかない。