中国のSF小説「三体」をドラマ化したシリーズ。
本作は、中国が制作したドラマだ。
配信としてはWOWOWが先行しているが、私はHuluで10話まで見た。
Huluの無料期間中なので、他の配信メディアでは見られない作品を一気見している。
「三体」のドラマ化は中国版が先だが、Netflixでもアメリカ制作のドラマ化が進んでいて、来年(2024年)に公開される。
原作は同じでも、味付けは大きく変わるだろうね。
中国版を見て思ったのは、今の中国でこのような作品が制作できることに驚いた。物語中で文革時代の描写も出てきていて、たぶんに婉曲的ではあるが、共産党に対する批判的な部分があったりするからだ。
10話までの段階では、謎解きの答えは出ず、脅威となる「敵」がなんであるかもわからない。
天体の「三体問題」が物語の柱なのだが、「三体問題」はいまだに完全には解決されていないという。この三体問題は、中国の現状に対する暗喩のようにも思える。
本ドラマの10話までで、一番面白かったのは第2話の「射撃手と農場主」だ。
宇宙の見え方、捉え方を説明する仮説なのだが、その描写がかなり面白かった。これぞ「センス・オブ・ワンダー」だね。
この回を見て、「ああ、日本のSFドラマは、完全に追い越されてしまった」と思った。「VIVANT」が話題になったが、それよりもスケールとクオリティが数段上を行っている。そもそも「三体」を映像化するという難題に取り組んだのもすごい。
中国版「三体」は字幕のみなのが、少々見ていて辛い。字幕を追うと、画面全体から視線が外れてしまう。また、字幕はセリフの要約だから、細部が抜けるので、吹替がほしいところ。
全30話なのだが、全部見られるかどうか考えどころ。というのは、Huluの無料期間中では終わりそうにないから。
う〜む、どうしようかな……。
→三体(中国版)11〜30話|WOWOW に続く。