太陽系外からやってきた「飛来天体オウムアムア」についての続報が、ちらほらと出ていたのだが、断片的で説明不足な記事ばかりだった。
そこはやはりナショジオ。
知りたいことが詳しく書かれていた。
「星間空間を飛行する彗星の表面には、炭素を豊富に含んだ黒っぽい物質が形成されます。オウムアムアの表面を覆う物質も、おそらくはこれと同じものでしょう」。
(中略)
ジェミニ天文台のデータからは、太陽系で観測される多くの彗星とは異なり、オウムアムアの表面はカラカラに乾燥しており、水の氷もまったくないことがわかる。天体表面の温度をシミュレーションしたところ、オウムアムアを覆う層が厚さ40センチほどある場合、内部にある氷を含む物質は、太陽などの恒星の熱から守られることがわかった。
(中略)
「またもやアーサー・C・クラークの予言がぴたりと当たったわけです」とフィッツシモンズ氏は言う。ただし作品に登場する恒星間物体は異星の宇宙船だったが、オウムアムアの起源はどうやら自然にあるようだ。新たに発表された研究の数々は、オウムアムアが地球外生命体による人工物であるという推測を否定している。近赤外線での観測では、物質の表面に金属がある兆候は見られなかった。
宇宙船説は否定しているのだが、表面に金属がないというのは、炭素の膜をシールドにしているということだって考えられるんじゃないか?
その炭素膜のおかげで、内部にあるかもしれない氷が溶けなかったと推論しているわけだし。
仮に、内部に居住空間を掘っていれば、炭素膜は内部環境を守れるのでは?
信号らしきものは検知されなかったともされているのだが、通信手段として電波を使ってるとは限らないしね。
そもそも外部と通信する気があるのかどうかも怪しい。
たとえば、車で走っていて、すれ違う見知らぬ車に「ハロー」なんて声をかけるかい?
普通、無視というかいちいち挨拶はしないだろう。
人間基準で考えてしまうと、ファーストコンタクトはうまくいかない。
異星人が太陽系に立ち寄ったとしても、地球人に挨拶する義理はない。
「ふん、未開の文明か。どうでもいいな」
と、思うのが関の山(笑)。
人工物は否定されているのだが、この形状は普通じゃないことはたしか。
もしかしたら、細長い人工物のまわりに、氷や塵、炭素膜が付着しているのかもしれない。表面の観測だけでは、内部はわからないからね。
オウムアムアは太陽系の外に向かっているわけだが、太陽系外縁部にいるボイジャーとか、冥王星探査をしたニュー・ホライズンズのそばを通ることはないのかね?
あるいは、接触できる軌道に乗せるとか。
まぁ、距離がありすぎて、無理なんだろうけど。