“火星-14”型ミサイル

飛来するかもしれないミサイルに備える「Jアラート」が、エラー出まくりというお寒い状況のようだ。

Jアラート訓練:島根と岡山でメール読めず – 毎日新聞

18日実施されたJアラートの訓練で、島根県と岡山県が登録した県民に一斉送信したメールが文字化けして読めなかったほか、鳥取県米子市では放送が流れないなど、トラブルが相次いだ。

(中略)

また、米子市では、消防庁からの訓練電文は受信できたものの、防災行政無線などが自動起動せず、約250カ所のスピーカーから放送が流れなかった。

毎日新聞2017年8月18日より

これはよくある文字エンコードの違いだろうね。
たぶん、UTF-8をShift_JISで表示しているパターン。

送信元のデータに、エンコードの指定が抜けていたか書式が間違っていたか、受信側の設定がShift_JISになっていたかのどちらかだな。
ま、初歩的なミスというか、なにか余計な操作をしたのかもしれない。

訓練で露呈したからいいけど、本番でこれだったらなんのための警報なんだか……という話になる。

もっとも、そもそも論としてミサイルに対するJアラートは、実質的には役に立たない。
発射から着弾まで、数分〜数十分なので、警報を鳴らしたとしてもできることはほとんどない。
どこに着弾するのかわからないのに、どこに逃げる?

「ミサイル、来るよ。心構えして」

というくらいの効果しかない。
通常弾頭であれば、1発で破壊される範囲は限定的だが、核ミサイルであれば、規模にもよるが頭上で爆発して、ほぼ逃げ場はない。

都心では地下鉄や地下街が、一時的なシェルターにはなるが、直撃の爆死を逃れられる程度。本格的な核シェルターがあるわけじゃないから、核ミサイルが落ちたあと、どうするかというサバイバルのことは、まったく考えられていない。

都内でも郊外になると、地下施設は激減するので、シェルター代わりになるものもなくなる。
できることは、神様仏様にお祈りするくらい。

警報は鳴らすけど、逃げ場所は用意していない……という、アホらしい対策だね。
こんなことにお金と労力を使うのは、無駄。
たんなる気休めだ。

それよりも迎撃ミサイルを拡充する方が、まだ現実的。
とはいえ、PAC-3では迎撃高度が低いので、これまた実効性が乏しい。
イージス・アショア(陸上配備のSM-3)の検討も話題として上がってきているようだが、今ごろ検討を始めるのが遅すぎ。

実戦で迎撃できるかどうかはともかく、丸腰ではなにもできないことはたしか。

諌山 裕

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