月周回旅行を計画していた前澤氏が、中止を発表した。
私の過去記事( 「私を月に連れて行って」とはいえなかった女優)でも書いたことだが、予想通りの展開になったようだ。この記事は 2021年4月6日付だったのだが、その時点で私は「当初の予定の2023年は、ほぼ不可能な状況。数年〜十年は遅れそうだ。」と書いた。3年前でも予想できたことだ。
前沢友作さん、月周回旅行を中止 「実現見通し不明瞭」 | 共同通信
衣料品通販大手ZOZO創業者の前沢友作さんは1日、計画していた月周回旅行を「近い将来における実現の見通しが不明瞭」だとして中止したと、計画を紹介するインターネットサイトで明らかにした。計画では2023年に、米宇宙企業スペースXが開発中の大型宇宙船「スターシップ」に前沢さんと同行者8人が乗り、月周回旅行をする予定だった。
前沢さんは自身のX(旧ツイッター)で「今の時点になってもいつ飛べるのかの展望が全く出ていません」「僕自身の人生計画が立てられないし、誘ったクルーをこれ以上お待たせし続けるのも申し訳ない」と理由を説明した。
スターシップは、2024年3月14日に3回目の打ち上げ試験を行った段階で、いまだ実用的な成功には至っていない。月に行くアルテミス計画は、スターシップで月面着陸を目指しているので、これが実用段階にならないと計画自体が破綻する。
人を乗せる前に、無人で月を周回してくる試験をクリアしなくてはいけないので、ハードルはかなり高い。年に2〜3回の打ち上げテストをするとしても、まだ数年はかかりそう。2030年までに月まで到達できれば、いい方じゃないかな。
月まで行けたとして、今度は月面に着陸できるかどうか。
スターシップは垂直着陸を前提としているが、かなり難易度が高い。整備された地球上の発着場では、ブースターの着陸に成功しているが、月面の砂地のような地面に、ちゃんと着陸できるかどうかは怪しい。月面着陸でも、何度も失敗をして問題をクリアする……というのは、それ自体が難しいように思う。
イーロン・マスクの野望はすごいが、大風呂敷を広げすぎではある。
月面への再上陸、さらには火星を目指す道のりは、まだまだ遠い。