Amazonで、2023年5月25日から配信されていた『グリフォン戦記』を見た。
時代設定は1990年代。当時の音楽や文化を背景として、現実世界と異世界を行き来するファンタジーになっている。
設定としてはありがちだけど、ヴォルフガング&ハイケ・ホールバイン原作のベストセラー小説らしい。
ごめん、知らなかった(^_^)b
シーズン1は全6話構成。
主人公のマルクの父方の祖先は代々、秘密の書「クロニクル」を受け継いでいた。それはグリフォンというおぞましい生物が支配する“黒の塔”と呼ばれる世界に関する本だった。
異世界の「黒の塔」には、通じる門がいくつかあり、そこを通って行き来できる。誰にも信じてもらえない異世界の話をするマルクは、サイコ(精神病)扱いされてしまう。
マルク自身も信じていなかった異世界の話だが、やがて実在することを確信する事件が起きる。そうして徐々に黒の塔のことがわかってくる……という展開。
まぁ、そこそこ面白いのだが、物語世界にグイグイ引き込まれるような面白さはない。
平行世界的に現実と異世界を行き来するシチュエーションでは、「ストレンジャー・シングス」と似ているが、「ストシン」のような引き込み感はないんだよね。子供(高校生)たちが主要キャラだし、80〜90年代のロック音楽がひとつのキーワードになっている点も、ストシンに似ている。
もどかしいというか、中途半端というか、引きが弱いというか……、いろいろと物足りなさがある。
物足りなさを感じるのは、
この3点かな。
ストーリー展開はオーソドックスというか、予想通りの展開になっていて、1話の中での山場の山の高さが低い。つまり、あまり盛り上がらずに、淡々と話が進んでいく。なんというか、フラストレーションがたまる展開なんだ。
主人公および主要キャラは、高校の同級生たちだが、それぞれに性格付けされたキャラがそろっているのに、それが十分に活かされていない。このへんは脚本の問題かな。若い役者の演技は、そんなに悪くない。
黒の塔は、階層構造の閉鎖空間のようになっている。ただし、その空間はかなり広く、天井は見えるが果ての壁は見えない。
シーズン1では下層階のひとつの世界しか出てこなかったが、階層を上がると別の世界があるようだ。それは先の話なのだろう。
と、そんな異世界の見せ方が、わりと雑(^_^)b
もっと異世界っぽい見せ方があると思うんだよね。ぱっと見、地球とあまり変わらない風景では、異世界への没入感はないに等しい。
物語はまだ序盤なので、冒険は始まったばかり。
この先、シーズンがどれだけ続くのかにもよるが、シーズン2をやるのなら、もっとテコ入れしないとダメだと思うよ。