日本では2023年5月5日より配信が始まった、SFドラマシリーズの『サイロ』を見た。
シーズン1は全10話で、第10話は6月30日に配信された。
ジャンルとしては、ディストピアものであり、閉鎖環境ものになっている。
『サイロ』は Hugh Howeyによる小説シリーズである”Silo series”に基づき、グレアム・ヨストが創作したディストピアSFドラマシリーズである。レベッカ・ファーガソンは主演とともに製作総指揮を務める。シリーズは2023年5月5日にApple TV+で配信開始され、シーズン2の製作も決定している。
あらすじ
サイロと呼ばれる巨大な144階を超える建造物の中に1万人を超える人々が暮らす。科学技術は抑制され、歴史は改竄されている。外部は汚染されて危険であるとされ、人々は出ることはできるが戻ることは出来ない。
サイロの保安官のホルストンの妻は、意図的に不妊にされていたことを知る。サイロの謎を解こうとするジョージと知り合ったのちに防護服を着せられてサイロを出て行き、人々が見守る中で倒れる。ホルストンは死んだジョージの恋人だった、最下層の発電機のエンジニアのジュリエットを後任に指名した後、サイロを出てやはり倒れる。ジュリエットはジョージの死を捜査するため、階を上って保安官となる。
Wikipediaのあらすじは、シーズンラストのネタバレまで書いていたので、そこは割愛。
最近の流行なのかもしれないが、映像の彩度をかなり落とし、画面は暗めで、モノクロ映画のような雰囲気の作品になっている。同じAppleの「インベージョン」と雰囲気が酷似しているね。
画面がかなり暗いので、部屋の照明を消して、映画館のように暗室状態にしないと、暗部の細部が見えない。照明があると、液晶画面(50インチ)に反射してしまうんだ。
サイロというのは、円筒状の地下都市で、上から下に向かって階層を数えて、144階以上のエリアがある地下都市になっている。直径は数百メートルかな。
ひとつのサイロに、約1万人が暮らしているようだ。
歴史は意図的に消されているらしく、どういう理由でサイロに閉じ込められているのか、一握りの特権階級を除いて、知らされていない。その謎を解いていくのが、物語の柱になっている。
終末世界的な設定なので、ディストピアものといえるが、テクノロジー的には1990〜2000年代頃のレベルだ。コンピュータは出てくるが、ディスプレイはブラウン管だし、処理速度も遅い。技術的には後退している世界で、100年以上前の遺物は禁忌扱いになっていたりする。新しいものは作り出せなくなり、古い機械を修理して使い続けている。
閉鎖環境ものというのは、地下都市や宇宙船など、閉鎖環境を舞台とするもの。空間的な広がりが限定されるため、いろいろと制約が生じる。その制約を上手く利用すると、緊張感のあるストーリー展開ができる。
本作では、そこがうまくできている。
テクノロジー的には総じて後退しているのに、なぜか外の風景を偽装するホログラムが突出して未来的になっていて、そこは違和感を感じた。
この外の風景というのが、二重のトラップになっていたのには恐れ入った。それが明かされる前に気がつきはしたが、なかなか巧妙なトラップだった。
シーズン2の制作は決定しているとのことなので、続きは見られそうだ。早くても2024年だろうけど。