「北朝鮮の水中発射ミサイルは合成?」の続き。
前出のエントリは、静止画の写真についてのネタだったが、その動画というものが公開された。
これがまた、ツッコミ所満載である(^_^)。
【ソウル聯合ニュース】先ごろ潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)水中発射実験の成功を発表した北朝鮮が、実験の様子とみられる場面が映った動画を27日に公開した。
その動画と見られるものが以下。1分35秒後くらいから。
この中から、画像を切り出して、ツッコミをしてみよう(^_^)
CGではないかという説も出ているが、見ていくとそこまで高度なテクニックは使っていないようだ。
▼潜水艦のシルエット
暗くてわかりにくいので、Photoshopで補正した。
▼潜水艦のシルエット(補正後)
船体がやや平べったいようなので、ロシアのタイフーン級に似ている。特長は、艦橋の下に膨らみがあること。
▼開口した発射筒
▼開口した発射筒(補正後)
ハッチが丸いので、これもタイフーン級のミサイル発射筒ではないかと思われる。
ここで注目して欲しいのは、開口部の中に、まだミサイルの頭は見えていないこと。次のシーンにつながる。
▼発射筒からガス噴出?
▼発射筒からガス噴出?(補正後)
突如、射出のためのガスが噴出する。補正後画像を見ればわかるが、そこにはなにもないんだ。しかも、射出口の中心からずれている。これは合成だろう。
そして、決定的なシーンへとつながる。
▼潜水艦の発射筒から内部ハッチがパージして、ミサイルが飛び出してくるシーン。
おや~~? どこかで見たシーンだなー……と思って、You Tubeを探したら……
あったよ、あったあった!(爆笑)
これだよ。
▼US Submarine Launched Ballistic Missiles SLBM のワンシーン。
パネルの形、水煙(ガス)の形などから、ほぼこれに間違いない。画面をトリミングして、タテヨコ比を変えてある。パクリはパクリでも、アメリカ軍のミサイル動画を拾ってくるあたりが、節操がないなー(^_^)。
▼US Submarine Launched Ballistic Missiles SLBMの動画。※0:55あたり
▼水中射出のミサイル
▼水中射出のミサイル(補正後)
思い出して欲しいが、先に公表された写真のミサイルと形状が違う。
▼先に公表された、自称水中発射ミサイル
先端がスムーズなコーン型ではなく、角度のついた段々になっていて、しかも黒い。動画の方は、円筒からコーン形にスムーズにつながった形状だ。
これはアメリカのトライデントに似ている。
……と、Wikipediaを調べたら、そのまんまがあったよ(^_^)b
Trident C-4 montage – トライデント (ミサイル) – Wikipedia
このシーンは、前出の「US Submarine Launched Ballistic Missiles SLBM」の動画にも出ている。
▼発射後の海上の様子
画像中に書いているが、海上に射出されたところに、謎の影がある。この影は、ミサイル本体が出てきても、しばらく消えずに残っている。煙などではなく、なにか物体があるのではと思う。潜水艦の艦橋か潜望鏡かもしれない。
▼なぜか2つに分離する軌跡
ミサイルが海上に出たあと、なぜか途中から軌跡が分岐して、2方向に分かれる。
なんじゃ、それ?
また、煙はほぼ水平線で切れている。ということは、カメラから発射地点まで、7~8km前後離れていることになる。その距離でこの大きさは、大きすぎるように思う。おそらく、水平線上で他の動画を合成しているのではと推測する。※訂正、下記参照。
もう一度思い出して欲しいが、写真のときには、すぐ近くで金正恩が視察していたことになっていた。
その金正恩が乗った船はどこにあるんだ?
動画はかなり離れた位置から撮影していることになるから、金正恩の船が視野の中に入っていないといけない。
ということで、期待を裏切らず、インチキをかましてくれたようだ(^^)。
【訂正・追記】
発射シーンのコピー元の動画を見つけた(^^)。
▼Typhoon submarine – Sonicbomb.com.flv. sohel ※1:20あたり
ただし、この動画で使用されている水中からの発射シーンは、「US Submarine Launched Ballistic Missiles SLBM」のものと同じなので、この動画も流用だと思われる。
距離が遠すぎると思ったのは、トリミングで上下がカットされて望遠で撮ったようになっていたからだった(^_^)b
また、軌跡が2つに分かれているのは、分離された射出装置のようである。