予想通りというか、緊急事態宣言がまたまた出される運びになった。
第5波の進展状況は、私の予想通りの展開になっている。
意外だったのは、五輪開催で強気だった菅政権が、あっさりと宣言を出す決断をしたことだ。
先の都議選での自民党の不振が、弱気になった一因なのかもしれない。
緊急事態下で東京五輪へ 無観客の公算、逆風必至:時事ドットコム
東京都で新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらず、政府は4度目の緊急事態宣言発令に追い込まれることになった。専門家らの慎重論を押し切って6月21日で宣言を解除したばかりだっただけに、菅義偉首相の判断が問われるのは必至。政府は東京五輪を無観客で開く構えだが、緊急事態下の開催となることで、五輪への逆風が一段と強まることは避けられそうにない。
(中略)
政府はコロナ対策の柱と位置付けるワクチン接種でも、首相の号令の下、自治体や職域で作業の加速を促しながら、供給が追い付かず各地で停止を招く失態を演じた。先の東京都議選で自民党が過去2番目に少ない33議席にとどまったのも、政権批判の表れとみられている。首相が繰り返してきた「安全・安心な五輪の実現」が担保できなければ、開催自体に世論の批判が集中しかねない。
ようするに、感染対策を危惧しているのではなく、秋の衆院選への影響をにらんでのことなのだろう。これ以上支持率が下がったり、政府への批判が高まると、選挙を戦えなくなるという計算だ。
東京の新規感染者数が1000人超えくらいでは、緊急事態宣言は出さないのでは?……と見ていた。感染者数は増加傾向ではあるが、4段階のステージ指標では、まだ少し余裕がある。
7月5日時点のデータだが、東京はステージ4が2つだけ。
医療現場が大変なのは相変わらずのようだが、数字の上では病床使用率や重症使用率にはまだ余裕がある。だから大丈夫というわけではないが、もっとも逼迫していた時期に比べれば、まだ我慢できる状況のように思える。
重症者数が少なめなのは、65歳以上の高齢者のワクチン接種が進んでいるからだろう。
20〜30代の感染者数が増えいるとはいえ、若者世代は重症化しにくいとされている。ただし、デルタ株が大勢を占めるようになれば、そうともいえなくなる。
南米で猛威を振るっているラムダ株はさらに凶悪で、ワクチン効果が5分の1になるとの報告もある。
遠からずラムダ株も日本に入ってくるだろうから、デルタ株の第5波が8月一杯で沈静化するとして、ラムダ株の第6波が10月〜11月になるとやってくる可能性が予想される。
五輪は無観客での開催を示唆しているが、そうなると五輪を開催することで期待された、一発逆転は難しくなりそうだ。
むしろ、無観客で開催しても、選手や関係者の間で感染者が続出するような事態になると、大きなダメージを受けることになる。
菅首相は勝ち目のないギャンブルをやろうとしているのではないか?
逆転の奇策があるとすれば、五輪中止のジョーカーを切ることだが、はたしてそれを決断できるかどうか。
切り札を切るのが、菅首相なのか小池都知事なのか、という駆け引きがあるのかもしれない。
問題はタイミングなのかな?
東京の新規感染者数が3000人を超えたら、中止カードを切る口実になるようにも思う。
オリパラは予定どおり開催されるのか?
開催されるとして、どんな結果を招くのか?
前代未聞の社会実験が始まろうとしている。