私は新型コロナの感染が広がり始めた当初から、「空気感染している可能性がある」と書き続けてきたが、ようやくそのことを認める空気になってきたようだ。
新型コロナウィルスは「すべての型(従来型・変異株)で空気感染する」。
「パンデミックになる」と世界に先駆けて警告していた感染症専門家のエリック・フェイグルディン博士が、きょう22日の野党合同ヒアリングで、こう証言した。博士は米国科学者連盟シニア・フェローだ。
飛沫感染だけではなかったのである。ガラパゴス日本の常識が覆されたことになる。飲食店のアクリル板は気慰みにもならない、ということだ。
エリック博士から証言を引き出した亀井亜紀子議員(立憲)は「驚いてめまいがした」と感想を明かした。
私は何度もくどいくらい言い続けてきたが、空気感染を前提にした対策を考えないと、やってることが無駄なだけで、対策にはならない。
先日、テレビでマスク飲食をしていたのに感染してしまった、という人のインタビューがあった。
店に滞在したのは1時間程度だったというが、それでも感染したのは空気感染の疑いが強い事例だ。
そもそも空気感染していれば、マスクはほぼ役立たずなので、見かけ倒しだ。
マスクの種類がウレタンおよび布マスクであれば、実験でも明らかなように予防効果はゼロ。
ウレタン・布マスクの着用者は約3割いるので、じつはマスクなしの人たちが3割いるのと同じ。こんな状態で感染対策になるわけがない。
NHKスペシャルの「看護師たちの限界線〜密着 新型コロナ集中治療室〜」で、集中治療室で奮闘する看護師を取材していたが、彼らが装備しているマスクは空気感染を想定したと思われる、重装備になっていた。
マスクは重さが1kgあまりあるという。
このくらいの装備をしないと、空気感染には対処できないということ。
そして、空気感染していれば、もっとも感染ルートとして疑われるのは電車なのだ。
朝の通勤ラッシュ時の満員電車は、コロナ以前の状態に戻っている。乗車率は200%を超えているだろう。
数日前に、新宿駅で人身事故があり、大幅に遅れが出て、混雑がさらに増した。電車に乗りきれない人たちがあふれ、乗車率はミチミチのすし詰めだった。前後左右の人に押しつぶされるほどの満員電車の中で、感染者がいれば感染しない方がおかしい。空気感染するということは、咳をしていなくても、呼気にウイルスが含まれる状態でもある。
日本の専門家たちは、なぜか満員電車をスルーするのだが、クラスターが発生していないのではなく感染ルートとして追跡できていないだけ。
飲食店と違って、何線の、何日の何時何分の、何号車の、座席位置はどこ……と特定し、そこに同乗していた人たちを特定できなければ、感染ルートとしても特定できない。現状、その追跡は不可能である。
空気感染を前提とすれば、いまやっている対策が、いかに無駄で無意味かがわかるというもの。
私たちは効果が期待できないことに神経をすり減らし、無駄金を使っているんだ。
みんな、いいかげんに妄想から目覚めよう!